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読書メモや映画やテレビ番組視聴メモです

さいとう・たかを『ゴルゴ13 17 死を運ぶ者共』(リイド社)(1976/04/25)

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====もくじ=====

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第66話 柩に誓いを(1973/01作品)

ページ数:83ページ

依頼者:1)不明

    2)リカルド・バルデス

ターゲット:アントニオ・バルデス

依頼金額:1)不明

     2)5万ドル

殺害場所:1)不明

     2)風車小屋

殺害人数:1)1人

     2)3人

殺害相手:1)アントニオ・バルデス

     2)大佐他2名

H:1人(フラメンコ・ダンサー)

 

Part1 夕日に映える丘

スペイン・トレド

兄アントニオの葬式で、弟リカルドは柩に仇討ちの誓いをする。

Part2 ノーマの酒場で

ノーマの酒場でリカルドは兄アントニオを殺したのはゴルゴ13だと確信していた。

そこへロシア人3人がやって来た。

Part3 命を捨てても!!

ロシア人3人はゴルゴ13の写真をリカルドに見せる。リカルドはゴルゴ13がアントニオを殺した犯人だと叫ぶ。

ロシア人はリカルドを依頼人に仕立て上げようとする。

大佐と呼ばれるロシア人はイエゾフという部下に、ゴルゴ13への連絡方法の一つ、マーカス・モンゴメリーへの手紙を書かせる。

Part4 囚人番号96304の男

アメリカ・ジョージア州アトランタ

囚人番号96304の男、マーカス・モンゴメリー(通称マーク)に手紙が来た。マークはNBC”夕べの祈り”の時間、CBSの”宗教の時間”に”賛美歌第13番”をリクエストした。

Part5 賛美歌第13番

マーカス・モンゴメリーは病気で声がでなくなり母親との口論の結果、母を死に至らしめ、終身禁固刑を言い渡され、宗教番組にリクエストを出していたのだ。

Part6 3行広告

リカルドは大佐の前で拳銃訓練に明け暮れる。

マーカス・モンゴメリーへの手紙の結果、ニューヨーク・タイムズの雑件広告欄が利用されて、ゴルゴ13から依頼人への連絡が来た。大佐がバンクーバーの22-0773へ電話する。

Part7 バンクーバー・22-0773

スペイン・マドリードPM6:00、バンクーバーAM10:00に、大佐が電話をかけた。そこは連絡事務代行オフィスでゴルゴ13にはつながらず、ゴルゴ13からの電話を待つだけだった。

Part8 マドリードの焦り

ゴルゴ13からの連絡を待つのを焦るリカルドだった。

大佐は最初からリカルドの拳銃の腕には期待していなかった。単に「ゴルゴ13に近づく」その一点だけを期待していた。

Part9 電話は鳴った!!

マドリード 2日後

焦る大佐達だった。

そこで電話が鳴った!

Part10 ドンキホーテ銅像前

電話はゴルゴ13からで今夜9:15、スペイン広場ドン・キホーテ銅像前で目印に白バラを胸につけることをゴルゴ13が一方的に伝えて切れた。

周囲から狙われやすい場所を会見場所に選んだゴルゴ13の”依頼人”を信用する習慣がついたに違いない、と楽観的な解釈をする部下に、大佐はゴルゴ13は現在、パリかリスボンあたりで、わかりやすさを考えて会見場所を選んだと推理した。

ドン・キホーテ銅像前に下見に行った大佐達とリカルドの様子を車から見ているゴルゴ13だった。

Part11 保障への準備

大佐達はゴルゴ13に対して入念な準備をする。

はやるリカルドにはトランキライザーを飲ませて落ち着かせる。

青酸銃や葉巻型手投げ弾やライター型ピストル・・・さら札束の底に隠したダイナマイトまで準備していた。

Part12 フラメンコを踊る女

フラメンコを踊る女をじっと見つめるゴルゴ13。

それに気づく女。店を去ったゴルゴ13を追いかける女。

Part13 命燃えつきるまで

そして二人が結ばれる。

Part14 約束の9時15分

防弾チョッキを着けたリカルド。

ゴルゴ13は女に金を渡し頼み事をする。

リカルドの周りで警戒する大佐達だった。彼等はリモコンでリカルドが持っている鞄を爆破できる装置を仕掛けていた。もともとリカルドは囮だったのだ。

そこへ女がやって来てリカルドに手紙を渡した。

Part15 血まみれの風車

12時8分前。ゴルゴ13が指定した風車小屋に、リカルド達が到着した。

リカルドは一人風車小屋に入っていった。

リカルドはゴルゴ13の声がする方向に自動拳銃2発を発射した。

兄の仇をとったと喜んだリカルドだったが、ゴルゴ13と思われたのは、人形とトランシーバーだった。

風車小屋の外にいた大佐達は銃声を聞き、ダイナマイトを爆破させた。

風車小屋は吹っ飛んだ。

現場確認のために近づこうとした大佐達の背後にゴルゴ13がいて、3人を無言で射殺した。

 

[感想]

KGBと思われる大佐達に利用されるリカルドは悲劇だ。

ゴルゴ13への依頼方法の一つが明確になったストーリーの一つだ。

 

第71話『欧州官僚特別便(ユーロクラットスペシャル)』(1973/06作品)

84ページ

依頼者:KGB(ソ連国家保安部)ソミノフ

ターゲット:ロケット工学の権威 アレクサンドル・タミノフ教授

依頼金額:不明

殺害場所:1) ロンドン Green Hotelの一室 2)ロンドン ヒースロー空港

殺害人数:1)0人

     2)1人

殺害相手:1)タミノフ教授の銀時計

     2)アレクサンドル・タミノフ教授

H:0人

 

Part1 遊園地の片すみ

1962年、ベルリンの壁を超えようとした17歳の少年フェヒターが壁を突破できずに銃撃され死んだ。その事件をフェヒター事件と呼ぶ。

オーストリア 首都ウィーン プラター遊園地

海軍省事務次官ウィリアム・ミラーが秘密維持法に触れたため逮捕された。

その様子を見ていた一台の自動車に少年がやって来てトランシーバーを渡した。トランシーバーの相手はゴルゴ13だった。

ゴルゴ13の指示で4人は車の外に出て車の右側に立った。そこにゴルゴ13が現れ、2人を社内に乗せ、自分も後部座席に乗り込んだ。

Part2 緊張の"MI6"

イギリス首都ロンドン

クイーン・アンズ・ゲート21番地MI6。その裏側のブロードウェイ54番地にもMI6がある。

ヒューム卿が部下達と会議をしていた。ICBM(大陸間弾道弾)のMIRV(多核弾頭)化の技術を現在はソ連は持っていないが、その機密情報を”稲妻(モルニャ)"というKGB工作員が来週の日曜日には国外へ持ち出そうとしている。

MI5はソ連批判をしたアレクサンドル・タミノフ教授の護衛で手一杯で、稲妻(モルニャ)への対応はMI6で実施しなければならない。

Part3 "網"はすき間なく

MI6は空港、港、ソ連大使館を、くまなく監視していた。

Part4 タミノフ教授の講義(レクチュア)

タミノフ教授はロケット工学の権威で、ロンドン大学で講義をしていた。

そこにはMI5のメンバー多数が張り付いていた。

聴講者の一人にゴルゴ13もいた。

Part5 輝く銀時計と共に

ゴルゴ13の回想シーン。

KGBはゴルゴ13にタミノフ教授暗殺を依頼した。条件は胸元の銀時計毎心臓を撃ち抜くことだった。

Part6 気になった男・・・

ゴルゴ13をローレンスをはじめとするMI5の男達が身体検査をした。ゴルゴ13は新聞記者で講義聴講についても許可を取り付けていた。

Part7 ”モスクワ指令”

MI6では、モスクワからの暗号文、”決行態勢にはいれ”を解読しており、機密情報流出を防ごうとしていた。

Part8 "引き金(トリガー)"は引かれた!!

講義が終わりGreen Hotelに引き揚げたタミノフ教授だった。

彼をスコープに捉えたゴルゴ13は見事にタミノフ教授の銀時計を撃ち抜いた!!

MI5がカーテンを閉めて確認すると、銀時計のおかげでタミノフ教授は助かった。

Part9 待っていたふたりの男

ホテルのロビーに戻ったゴルゴ13を二人の男が出迎え、同行を依頼した。

Part10 "稲妻(モルニャ)"は関知せず

ゴルゴ13はMI6のヒュームと会った。二人は公衆電話ボックスに入った。

ヒュームは事情を全て話した上で、ゴルゴ13がKGBと関連しているか、きいた。

ゴルゴ13は稲妻(モルニャ)の一件には無関係だと答えた。

ヒュームの所に部下が駆け込み、タミノフ教授が狙撃されたが銀時計によって命拾いしたことを報告した。それがゴルゴ13にも聞こえた。

Part11 掴まった男は・・・

MI6がマークしていた花屋で、店主は居候している男を裏口から逃がした。

しかしすぐにMI6によって男は掴まってしまった。

Part12 母国を誤解しないで

タミノフ教授が止まっているGreen Hotelに記者達が集まってきた。ゴルゴ13も来た。

タミノフ教授本人が現れ、自分が生きていることと、母国(ソ連)を誤解しないように、と話した。

Part13 ”合い言葉で接触せよ”

花屋の居候は黙秘を続けていた。花屋からは暗号電文が発見されたが明朝誰かとある場所で接触を持つことしかわからなかった。

ヒュームは暗号解読版に解読を急ぐように指示した。

Part14 現れた”稲妻(モルニャ)”

翌日、公園に老婆が現れた。彼女が稲妻(モルニャ)だった。

彼女は情報も持っていた。

Part15 喜びの親娘

タミノフ教授親娘にビザがおりた。4時間後には欧州官僚特別便(ユーロクラットスペシャル)に乗るのだ。

Part16 手を出せないのだ!!

ヒュームは捕まえた稲妻(モルニャ)=老婆がロケット工学の知識がほとんどないことに不信感を抱いていた。そして彼女に自白剤を用いたところ、稲妻(モルニャ)はタミノフ教授の暗号名だった。

しかし証拠がないため、MI6には手を出せないのだ!!

Part17 再びスコープの中に

ロンドン ヒースロー空港から飛び立つ飛行機に乗り込もうとするタミノフ教授の眉間をゴルゴ13が撃ち抜いた!!

Part18 ”稲妻(モルニャ)”帰国せず!!

モスクワでソミノフが上司と話していた。

そこへロンドンでタミノフ教授が射殺された、と報告が上がった。

上司はソミノフに責任をとってもらう、と言って報告書を握りつぶした。

 

[感想]

誰が稲妻(モルニャ)か、どうやって機密を持ち出すのか、推理小説の要素が満点の作品だ。

銀時計ごと狙撃することを依頼されているのに、銀時計を確実に貫通する弾丸や銃を用意せず、貫通するかどうか確認していないのが、ゴルゴ13らしくない。

ヒューム卿としては命拾いしたことだろう。

ソミノフはゴルゴ13に正直に話して、銀時計を破壊することだけ依頼すれば任務成功したのに可哀相だが自業自得だ。

最後に稲妻(モルニャ)の正体が判明するが、想定外で、面白い作品だった。

 

第68話『死を運ぶ者共 』(1973/03作品)

86ページ

依頼者:不明

ターゲット:世界兵器会社(グローバル・アームコ)モンテカルロ支社長ジェフ・キ-ナン

依頼金額:不明

殺害場所:イタリア ローマ パラティーノの丘

殺害人数:3人

殺害相手:世界兵器会社(グローバル・アームコ)モンテカルロ支社長ジェフ・キ-ナンと用心棒1人 武器販売業者サミー・コルダの元用心棒ラメド・ユースフ

H:1人(武器商人サミー・コルダの愛人セシリア)

 

Part1 カフェテラスの三人

イタリア ローマベネト通り

世界の紛争の陰には、武器販売業者達がいる。

コルダと呼ばれる武器商人とその秘書セシリアと用心棒のラメド・ユースフがビジネスの相手と待ち合わせをして待っていた。

Part2 騒音の中から・・・

雑踏の中、ゴルゴ13が現れた。ゴルゴ13が取引相手かと思ったコルダだったが、ラメド・ユースフは否定した。ラメド・ユースフは1か月前にゴルゴ13に会っており、彼が雑踏の中、拳銃の撃鉄が引き起こされる音を聞き取っていた。

Part3 若き獅子の勇姿

シリア南部 パレスチナ ゲリラ基地

そこにゴルゴ13が来た。

Part4 迷い出た若き獅子

ラメド・ユースフはゴルゴ13に連れて行ってもらうよう懇願したが、ゴルゴ13は断った。

Part5 男を追って行く"者"

ラメド・ユースフは隊規を乱したというこうとでアル・ファタを追われ、サミー・コルダに拾われたのだった。

ゴルゴ13が現れたのは何らかの仕事だろう。標的がサミー・コルダの可能性もある。セシリアがそれを調べに向かった。

Part6 追い込んでしまった女

ゴルゴ13を尾行するセシリアだった。それに気づいたゴルゴ13は彼女を裸にする。

彼女はお腹の赤ちゃんの父親を撃たないで、と懇願する。

Part7 早朝の川面に・・・

テレベ川にセシリアの死体が・・・

Part8 ふたりの苛立ち

テレベ川で見つかった死体がセシリアだとわかったサミー・コルダとラメド・ユースフは、ゴルゴ13を世界兵器会社(グローバル・アームコ)が雇い、標的がサミー・コルダだと判断した。

隠れ家に隠れる二人が外を見ると、そこにはゴルゴ13がいた。

ラメド・ユースフはサミー・コルダに金を返してゴルゴ13を一人で追う。

Part9 追う

ラメド・ユースフはゴルゴ13を一人で尾行する。

Part10 ゴルゴ13からの挑戦

ラメド・ユースフの尾行に気づいたゴルゴ13は、酒場でビンにラメド・ユースフを映し、もう一本で別な男を映し出していた。

そしてラメド・ユースフに明日パラティーノの丘で午前0時に会おう、と挑戦状を叩きつけて出て行った。

Part11 奴は汚ねえ!!

ラメド・ユースフを3人の男が襲った。ラメド・ユースフは3人を返り討ちにしたが、3人をさし向けたのがゴルゴ13だと勘違いする。

Part12 パラティーノの丘で

レストランで食事をしているサミー・コルダに商談相手のマニラのサラバリアから電話が入り、取引を午前0時パラティーノの丘に変更する旨、連絡が来た。

Part13 丘の上の結末

パラティーノの丘

サミー・コルダはサラバリアと名乗る男と2人の男と会った。しかし、相手は世界兵器会社(グローバル・アームコ)モンテカルロ支社長ジェフ・キ-ナンだった。世界兵器会社(グローバル・アームコ)は、サミー・コルダの命がほしかったのだ。

サミー・コルダと2人の用心棒が殺された。ゴルゴ13がジェフ・キーナンと2人の用心棒を撃った。

そして、ラメド・ユースフに、用心棒の一人がセシリアを殺した男で、前夜にラメド・ユースフを襲った3人をさし向けた男だ、と話した。

ラメド・ユースフは自らの手で仇討ちをした。

ゴルゴ13をラメド・ユースフが撃ったが外した。ゴルゴ13は、ラメド・ユースフに、セシリアがもう少し早く知りあえていたら、と言っていたことを伝えた。

ラメド・ユースフはその言葉を聞いてこときれた。

 

[感想]

サミー・コルダとラメド・ユースフの読みは半分当たっていたが半分外れていた。ゴルゴ13は彼等を狙ってはいなかったのだ。

ラメド・ユースフと相思相愛だったセシリアだったが、哀しい結末が待っていた。

哀しい女シリーズの一作品と言ってもいい作品だ。

 

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