沢木耕太郎がアマゾンにNHKの取材旅行に行った時に遭遇した飛行機事故のルポである。
アマゾンには今でも文明と切り離された生活を営む人達がいて、そんな人達を文明から守るために活動している人がいるのに驚いた。そんな人達を取材している最中の事故だったのだ。
「生命の危機を迎えた時に、果たして人間は、ここまで冷静になれるのだろうか?」と思えるほど、淡々と、そして生き生きと墜落に至るシーンを描写している。
普段の生き方が生命の危機にはっきりと表れるだろうが、こんなに淡々と書けるということは、沢木さんがいかに人生に達観しているか、を表していると思う。