天外さんと茂木さんの「意識を科学で解き明かせるか」に関する対談だ。心理学や精神医学の観点で話が進むのかと思ったら、いきなり、量子力学から話が始まる。
アインシュタインの相対性理論やコペンハーゲン解釈などの量子力学や、プラトンのイデア論まだ遡って、科学史や哲学や、ロジャー・ペンローズのツイスター論へと果てしなく議論が広がり、一体、いつ脳に話が戻ってくるのだろう、と思いながら読み進めると、ようやく最終章で、脳と意識に対談が進んでいった。
量子力学では、観察者が観察するまで粒子の位置が特定できず、確率でしか表せないという理論があるが、それを意識にも当てはめようというアイディアは面白い。本書の中でも述べているが、学会論文では、とても採用されないだろう。だが、追求してみる価値はあるだろう。
我々が見ているこの世界は、実は我々観察者が見ている世界であって、別な観察者が見たら、別な世界が重なり合っている、という発想につながる。
超ひも理論では、次元が折りたたまれているという表現を使うが、透視や霊視は、もしかしたら、その折りたたまれている次元を見る能力がある人達なのかも知れないと思うと、何だかわくわくする。