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ニュートン 2024/3号(2024/01/26)を読んでみた

ニュートン』2024/03号を読んでみた

 

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今号の特集は、『バイアス大図鑑』『時間は存在するのか』の二本立てだ。

 

p.5 つわりのメカニズムが解明された

 

胎児に由来するGDF15というホルモン量が多く、かつ非妊娠時のGDF15が少ない人ほどつわりを発症しやすい人ほどつわりの症状が重いそうだ。

つわりの症状を改善する薬の開発に寄与するかもしれない。

 

p.10 古代のイリオモテヤマネコを復元

西表島の土は酸性で骨が残りにくいそうだが、近隣のヤマネコや数少ない骨をもとにして古代のイリオモテヤマネコを復元した。

この記事を読んで、古代ヤマネコの頭骨を見て記事とは関係ないことを想像した。

ネコ科全体にそうかもしれないが、ヤマネコの頭骨には耳がない。ヤマネコは現生動物だから耳が三角形であることはわかるが、もし絶滅した動物だったら三角形の耳を復元できるだろうか?

そういえば象の鼻も骨がないから、象が既に絶滅していたらあの長い鼻を持った象として復元されるのだろうか?

ティラノサウルスや首長竜なども実はあの姿ではないのかもしれない。

 

p.14 バイアス大図鑑

ネガティビティ・バイアス よい印象よりも悪い印象の方が記憶に残りやすい。年をとるとネガティビティ・バイアスは弱くなるそうだ。逆かと思っていたので意外だった。

錯誤相関 雨女や血液型性格判断などだ。

保有効果 もっているものはそう簡単には人にゆずれない

単位バイアス 多くても少なくても「1人前」が適量ととらえることだ。

おとり効果 選ばれない選択肢をあえて入れることで他の選択肢の魅力が高まることだ。

デフォルト効果 「休まない場合は申告してください」とすると休暇取得率が上がるそうだ。

正常性バイアス コロナ禍で「自分はコロナにかからない」と思い込むことだ。

現在志向バイアス 明日得られる利益よりも今日得られる利益の方が大切なことだ。

確実性効果 同じ5%の増加でも100%に上がる増加はよりうれしく感じる

貢献度の過大視 おたがいに「家事を頑張っているのは私の方」と考えるバイアスだ。

フォールス・コンセンサス 自分が普段やっていることを他人も同じようにやっていると考えることだ。

平均以上効果 自分は「人並み以上」の力があると考えることだ。

内集団バイアス 出身地が同じというだけでひいきすることだ

 

その他に「認知的不協和」「誤帰属」「プラセボ効果」「イケア効果」「利用可能性ヒューリスティック」「単純接触効果」「真実性の錯覚」「ピグマリオン効果」「傍観者効果」「権威バイアス」なども紹介されている。

 

p.44 シンメトリーの物理学

対称性の話だが、宇宙の話が面白かった。宇宙に「反物質」がない理由がいまだ不明確なことだ。映画館にある座席の肘掛けの話が面白かった。肘掛けは左右対称だが、最初の一人が右肘を乗せると他の人も右肘を乗せざるを得ないということだ。そうして対称性の破れが発生するのだ。

自然界は対称的だという基本原理をもとに我々人類は考えてきたが、それがどうなっていくか今後の研究の進展が楽しみだ。

 

p.54 世界のハイテク船舶

エネルギー消費量を抑えるために風力や太陽光を使った船が続々と作られているのに驚いた。写真も美しい。

 

p.68 時間は存在するのか

この号で一番興味を持ったのがこの特集記事だ。

ニュートンが考えた絶対時間はアインシュタイン相対性理論によって破られた。

驚いたのは相対論と量子論を統合したら宇宙から時間が消えてしまった、ということだ。

正確に言うと時間変数tがなくなった、ということだ。

「時間の真の正体は実は私達の目には見えない物理量同士の相互作用だった」ということだそうだ。

今後の研究によってどうなるのか楽しみだ。

 

p.90 数式いらずの数学入門 第5回 方程式

歴史をひもときながら数学を説明するとわかりやすくて面白い。

 

p.100 ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡最新ショット

美しい写真を見ているだけで気持ちいい。

 

p.112 血液検査でがんの早期発見にいどむ

血液検査でがんを早期発見できるといいと思うが、現状はまだのようだ。

問題は検査につきまとう「偽陰性」と「偽陽性」だ。

今後どんどんこの分野の技術革新が進んでいくと思う。

 

p.122 霊長類の知性

写真が美しい。写真の横にある文を読むとどの霊長類も賢く見えてくる。