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さいとう・たかを『ゴルゴ13 45 地獄からの生還者』(リイド社)(1982/08/05)

 

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====もくじ=====

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第143話 地獄からの生還者(RETURN FROM THE HELL)(1979/03作品)

脚本協力:北鏡太
ページ数:82ページ
依頼者:
  1)不明
  2)新興宗教"人民寺院"の教祖、ジェームス・サーマン・ジョーンズにたぶらかされて全財産を献金した娘夫婦の親
ターゲット:新興宗教"人民寺院"の教祖、ジェームス・サーマン・ジョーンズ
依頼金額:不明
殺害場所:
  1)ベトナム・ドンホイの捕虜収容所
  2)新興宗教人民寺院の南米・ガイアナにある入植地
殺害人数:
  1)8人
  2)1人とヘリコプター3機と多数
殺害相手:
  1)アメリカ軍特殊部隊兵士
  2)新興宗教"人民寺院"の教祖、ジェームス・サーマン・ジョーンズとアメリカ軍特殊部隊キース大佐とアメリカ軍特殊部隊悪魔の軍団
H:0人

 

Part1 奇襲部隊(コマンド)
 1973年11月北ベトナム・ドンホイ上空
 特殊部隊が捕虜収容所に突入した。
 しかしそこにはアメリカ軍捕虜は一人もおらず、ゴルゴ13だけしかいなかった。
 特殊部隊の隊長はゴルゴ13を殺すよう命令したが、ゴルゴ13が全員を殺した。
 
Part2 虚偽の報告
 アメリカ軍特殊部隊のキース大尉が一人生き残った。
 キース大尉は北ベトナム軍1個中隊が待ち伏せしていた、と報告した。
 
Part3 最強の兵士を!
 1974年4月 ノースカロライナ州・フォート・デニング基地・USA
 キース大尉が右目に眼帯をつけて戻って来た。そしてすぐに特殊部隊員養成に入る。
 ジョー、ハワード、ウィリーらを部下にする。
 
Part4 悪魔の軍団
 キース大尉は、お前たちは部下に人間ではなく悪魔の軍団だ、と言って、厳しいトレーニングを課す。
 
Part5 野獣の調教
 キース大尉の厳しい降下訓練が行われる。
 
Part6 不良品は檻へもどせ!
 キース大尉のもう訓練も仕上げ段階に入った。
 いつもより速い降下速度の降下訓練だが、失敗した者は、檻に戻された。
 
Part7 あの顔忘れまじ
 1978年11月 フォート・デニング基地
 キース大尉は基地内のファイルでゴルゴ13のデータを見る。
 そして復讐を誓う。
 
Part8 "標的(ターゲット)"は、ひとつ!
 キース大尉の悪魔の軍団に、新興宗教"人民寺院"の教祖、ジェームス・サーマン・ジョーンズ抹殺命令が下った。
 そのころ、レッドウッド・シティーで、ゴルゴ13にジム・ジョーンズ殺しの依頼を受けていた。
 依頼主は、ジム・ジョーンズにたぶらかされて全財産を献金した娘夫婦の親だった。
 
Part9 悪魔の軍団出動
 1978年11月17日AM2:00
 南米ガイアナ沖
 空母から悪魔の軍団を乗せたヘリコプターが離陸し人民寺院の入植地に向かう。
 
Part10 教祖(ジョーンズ)の姿を求めて
 悪魔の軍団が人民寺院の入植地に侵入したが、教祖のジョーンズの姿が見当たらない。
 キースは小屋をしらみつぶしすることを部下に命じた。
 
Part11 発光弾の光の中に
 ゴルゴ13はキースらが侵入したことを双眼鏡で見た。
 そして、発光弾を打ち上げた。
 建物の外に出て来たジェームス・サーマン・ジョーンズを射殺した。
 キースはガスを使うよう命令した。
 悪魔の軍団がジェームス・サーマン・ジョーンズの射殺死体を発見した。
 そしてトラック1台がC地点から逃走する、という無線が入った。
 キースは、A班に現場を"集団自殺"に見せかけるよう命令し、B班は、自分と一緒に逃走したトラックを追うよう命じた。
 
Part12 逃走者の"牙"
 ヘリコプターで逃走する1台のトラックを追うキース達。
 トラックが破壊された。
 ゴルゴ13は一瞬速くトラックから飛び出し、ヘリコプター1機を撃墜した。
 キースはゴルゴ13の顔を見た瞬間、ヘリコプターのパイロットに、上昇を命じたが、ゴルゴ13がヘリコプターを撃墜した。
 
Part13 ニュースの外側
 ガイアナの入植地で923人が集団自殺したニュースが大きな衝撃を与えた。
 入植地近くに正体不明のヘリコプター3機が墜落炎上していた。
 死を免れた100名ばかりの信者が救出されたが、この"地獄"からの生還者がもうひとりいたことは、だれも知らない。

 

【感想】
 新興宗教"人民寺院"の集団自殺を下地にしてゴルゴ13を登場させた作品だ。
 キース大佐は2度にわたって、自分の部下を失った。二度目は自分自身もゴルゴ13によって殺された。
 ゴルゴ13が軍隊を相手にしても勝利できることを証明した戦いだ。

 

第152話 ヒューム卿最後の事件(1979/11作品)

脚本協力:きむらはじめ
ページ数:82ページ
依頼者:元MI6部長・ヒューム卿
ターゲット:アイルランド出身で現在は東ドイツチューリンゲンに住む軍用犬育種者でトレーナーのジョン・バグネル・ベリィ
依頼金額:6万ポンド(前金3万ポンド。一か月以内に3万ポンド)
殺害場所:東ドイツ チューリンゲン森にあるジョン・バグネル・ベリィの育種場
殺害人数:1人+6匹の犬
殺害相手:アイルランド出身で現在は東ドイツチューリンゲンに住む軍用犬育種者でトレーナーのジョン・バグネル・ベリィと彼が訓練した犬たち5匹とバグネルの愛犬アルゴス
H:0人


 スライゴ州・マラグモア村-ルイ・マウントバッテン伯爵の別荘マラグモア城の沖でヨットが爆破された。

 

Part1 退職者の怒り
 スコットランド南部元MI6部長・ヒューム卿の邸宅
 祖国の英雄マウントバッテン伯爵爆死、I・R・A犯行宣言の記事を読むヒューム卿が怒っていた。
 執事のヒックスを呼び、マッコーレイからの連絡を聞く。
 マッコーレイの報告では不審者の別荘城内立ち入りはありえない、ということだった。
 イタリア人の盲人巡礼団一行が立ち寄ったくらいだった。
 退職者にいちいち報告する義務はない、とマッコーレイは執事のヒックスに言っていた。
 ヒューム卿はますます怒りが増した。
 
Part2 私財を投げうって
 パブリックスクール時代からのヒューム卿の友人であるグレイ医師が、あと三週間、長くて一か月、とヒューム卿に言った。
 ヒューム卿は、財産を計算する。
 土地、家屋、家具で22,000ポンド
 動産は18,400ポンド
 生命保険は20,000ポンドが姪のアンドリュース夫人に支払われる。
 ヒューム卿はヒックスにGに連絡するように言う。
 夜、ヒューム卿は父親の『猟犬の友』という雑誌を見ていた。
 
Part3 生命(いのち)あるうちに
 ヒューム卿は、ゴルゴ13に、ジョン・バグネル・ベリィの育種場を遅い、彼と彼の犬の処分を依頼した。
 彼はアイルランド出身で現在は東ドイツチューリンゲンに住む軍用犬育種者でトレーナーだった。
 彼がトレーニングした軍用犬がI・R・Aと組んで爆弾を仕掛けたとヒューム卿は推理しているのだ。
 父の『猟犬の友』に写真が載っていたのだ。
 支払いはゴルゴ13のルールに反するが、前金3万ポンドで一か月以内に3万ポンドの合計6万ポンドだ。
 二週間以内、9月15日までに遂行してほしい、とヒューム卿は依頼した。
 ゴルゴ13は、依頼を受け、I・R・Aの次の狙いがブリュッセルだと話した。
 
Part4 グランパラス広場の惨劇
 ブリュッセル
 エジンバラ公近衛軍楽隊による演奏中に爆弾が爆破した。
 ゴルゴ13は現場にシェパードがいることを見つけた。
 
Part5 国境の町
 西ドイツ チューリンゲン森・ローダハ村
 ゴルゴ13がジョン・バグネル・ベリィの育種場が見えるホテル・リーベンに宿をとった。
 
Part6 狼の血を求めて
 ジョン・バグネル・ベリィのもとに、部下が、ロンドンデリーという雌犬が狼の子をみごもった、と報告した。
 ジョン・バグネル・ベリィが喜ぶ。
 
Part7 超能力犬(スーパー・ドッグ)への訓練
 ジョン・バグネル・ベリィの部下たちが、犬たちに毒ガス訓練、銃や血や死や火薬の臭いを教える。
 ジョン・バグネル・ベリィのもとに部下が、ホテル・リーベンの主人からデューク東郷が宿をとった、と報告が上がった。
 ジョン・バグネル・ベリィの顔色が変わった。
 
Part8 国境を越えて
 ゴルゴ13が気球で国境を超える。
 
Part9 バグネルの覚悟
 バグネルは犬たちを森に放った上でゴルゴ13を待っていた。
 ゴルゴ13はバグネルを殺した。
 ゴルゴ13は、バグネルのマフラーを取り、愛犬訓練用防臭袋に入れた。
 
Part10 愛する者の臭い
 森の中で一本の大木を背に銃を持つゴルゴ13。
 犬がゴルゴ13を襲う。
 ゴルゴ13が3発で3匹の犬を殺した。
 バグネルの愛犬アルゴス率いる犬たちは統率がとれていた。
 長期戦に持ち込むと不利になると考えたゴルゴ13は銃を置く。
 それを見て近づく犬たち。
 襲い掛かってきた犬たちをゴルゴ13はナイフで返り討ちにする。
 アルゴスがゴルゴ13を襲ったとき、ゴルゴ13はアルゴスにバグネルの臭いのついたマフラーをかがせた。
 動揺したアルゴスにゴルゴ13がとどめを刺した。
 
Part11 Gからの小包
 ヒューム卿は最期の時を迎えていた。
 そこへGからの小包が届いた。
 中は血の付いた動物の派だった。執事のヒックスはタチの悪いイタズラだと考え、荷物をゴミ箱に捨てた。

 

【感想】
 いろいろなところに登場し活躍したヒューム卿が最期の時を迎える。
 もっと長く活躍したかと思っていたが、意外と早かったことに驚いた。
 ビッグコミック特別編集プロジェクト『THE ゴルゴ学』p.252では、任務地西ドイツとなっているが、私は東ドイツだと思う。
 本編p.113で、バグネルは東ドイツにそのまま残った、と書いてある。またp.130でローダハ村のホテル・リーベンの主人は「東から抜けてくるのか」とデューク東郷に問いている。
 また、p.144のPart8では、国境を気球でゴルゴ13が越えているが、宿が西にあり、バグネルの育種場が東にあるので、ゴルゴ13は西から東に気球で国境を越えたと思う。
 第641話『ゴッド・セイブ・ザ・キング』(2024/07)でシャーリー・アンドリュースが登場するが、ヒューム卿は彼女の大伯父だ。
 この時、彼女は新人だったから、45年前の第152話『ヒューム卿最後の事件』の時、には、彼女はまだこの世に生を受けていなかった。
 本作品でヒューム卿の生命保険受取人である姪のアンドリュース夫人は、シャーリーの母にあたり、祖父がヒューム卿の弟なのだ。
 ゴルゴ13がこれだけ長く続いていることに改めて驚く。

 

第149話 トリポリの埋葬(1979/08作品)

脚本協力:外浦吾郎
ページ数:82ページ
依頼者:イスラエル秘密警察(モサド)
ターゲット:元公安一課特殊処理班 川路大道
依頼金額:不明
殺害場所:リビア・トリポリ
殺害人数:1人
殺害相手:元公安一課特殊処理班 川路大道
H:0人


 トーキョー-日本-
 公安一課特殊処理班の鷹谷主任が拳銃の射撃訓練をしていた。
 そこに伝令役の男がやってきた。

 

Part1 だからこそ君を・・・
 リビア革命評議会議長カダフィの写真を見せる老人と顔の見えない男。
 カダフィ暗殺を英仏西独が試みたが失敗し、今や賞金首は1000万ドル、約20億円にはね上がっている。
 だが、標的は、カダフィではなかった。
 標的は、元・警視庁公安一課特殊処理班副長川路大道だった。
 川路はハーグのフランス大使館占拠事件、ダッカ空港事件で特殊処理に出向いたが二度ともカダフィの差し向けた工作員によって処理を阻止された。
 川路は自尊心が高かったので、カダフィを生涯の敵として憎み、自分の手で始末するといって本庁を辞職した。
 その川路がリビアのトリポリに入った。
 カダフィには29人の影武者がいるので、カダフィ暗殺に川路が失敗する可能性が高い。
 そしてカダフィ暗殺に失敗したのが日本の公安警察に関係していた、となると、原油の値上げなどの形で対処するだろう。
 そうなると日本の経済が破綻するのだ。
 そこで川路を殺すことが鷹谷に命じられたのだ。
 
Part2 空港の出会い
 トリポリ空港-リビア-
 鷹谷はゴルゴ13を空港で発見したが、見失った。
 
Part3 トリポリ市へ向かう道
 タクシーでトリポリに向かう鷹谷の背後にゴルゴ13の車が見えた。
 
Part4 鬼百合の不安
 トリポリ市
 鷹谷がホテルに入ると、大使館から荷物が来ていた。
 荷物の中はライフルで、鷹谷はそれを組み立てた。
 そして、暗号で、指示を待つ。
 バラの花(川路大道)を花瓶に活けた後、鬼百合(ゴルゴ13)の指示をあおぐ、と話す。
 
Part5 "G"の目的は!?
 ゴルゴ13は洗濯屋からM16を受け取り組み立てた。
 
Part6 日本人川路の執念
 安宿で川路は、革命式典でカダフィを狙う位置を考えていた。
 
Part7 "鬼百合"は知っていた
 川路のいたホテルに鷹谷が行ったが、既に川路はチェックアウト後だった。
 そこにゴルゴ13を見た鷹谷はゴルゴ13と会話する。
 ゴルゴ13は、川路がバラで、鬼百合が自分であることを、知っていた。
 
Part8 日本は懸念する
 日本・トーキョー・永田町
 鷹谷に命令した男が顔を出さない男に、鷹谷がまだ川路を見つけていないこと、ゴルゴ13が現れたことを、報告する。
 西側諸国は産油国を刺激しないよう気を使っており、特にイスラエルが一番神経質だった。
 顔を出さない男は、とにかく日本人がカダフィ暗殺に関係させないように、と指示する。
 
Part9 満月の出発
 川路がイスキエーラという女を抱く。
 その後、彼は出て行った。
 そこへ鷹谷が現れ、スキエーラに、川路の行き先をきく。
 
Part10 式典の陰に
 リビア国軍のパレードが行われている。
 ゴルゴ13はヘリコプターに乗って上空にいた。
 川路はビルの上から演壇をスコープにとらえた。
 鷹谷が川路の背後から、拳銃の銃口を向けた。
 師である川路を撃てない鷹谷。
 川路も動けない。
 そこへヘリコプターが迫り、川路のこめかみを銃弾が貫いた。
 
Part11 機械の精度
 リビア陸軍のヘリコプターを操縦しているのはイスラエルの秘密警察(モサド)の工作員だった。
 イスラエルはリビアを刺激しないようゴルゴ13に依頼したのだった。
 モサド工作員がゴルゴ13に、鷹谷が屋上に現れる前に狙撃しなかった理由をきいた。
 ゴルゴ13は、誰か死体を処理しなければならないからだ、と答えた。
 鷹谷は拳銃がコンクリートに当たった音で撃針が折れたかどうかわからなかった自分の未熟さを責めていた。

 

【感想】
 公安一課特殊処理班という超法規的な組織が日本にあり、鷹谷という精鋭がいる、というのは頼もしいかぎりだ。
 その鷹谷だが、師である川路の始末を命じられたが、川路を前にすると引き金が引けなかった。
 ゴルゴ13はイスラエルに雇われ、鷹谷を利用して川路を射殺し任務を完遂した。
 鷹谷は魅力的な存在だが、ゴルゴ13に比べるとまだまだ未熟だ。

 

 

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