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『騙し絵の牙』を見てみた

 

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文芸出版社の薫風社のワンマンカリスマ社長が死んだ。

その跡目をめぐり、東松(佐藤浩市)と宮藤(佐野史郎)が対立する。東松は、売れない雑誌は廃刊にしようとする。110年の歴史を持つ小説薫風もその対象の一つだ。宮藤は小説薫風を守ろうとする。

 

主人公の高野(松岡茉優)は、小説薫風の編集者だった。小説薫風が募集した懸賞小説の中に、矢代聖(宮沢氷魚)の作品があり、彼女はそれを推すが、宮藤や編集長の江波(木村佳乃)の反対にあった。そして、転職してきた速水(大泉洋)が編集長のTrinity誌に、飛ばされてしまった。

 

速水はTrinity誌を大きく変えようとする。そこで高野は、矢代の小説を連載しようとする。

 

小説薫風で矢代を売り出すことになり、その記者会見の時に、矢代は実は替え玉だ、と暴露した。そのため、宮藤は失脚する。

矢代は本当は22年前に忽然と姿を消したリリー・フランキー演ずる小説家(名前を忘れた)だった。

彼は、自分の小説が今でも通用するか、別人の名前で懸賞に応募してみたのだった。

 

東松(佐藤浩市)が順調にビジネスを進めるかと思ったが、先代社長の息子である伊庭惟高(中村倫也)がアメリカから帰ってきた。アメリカの大手と薫風社が提携を結んだのだ。

 

そして速水が実は伊庭と組んでいることが明らかになり、東松は失脚する。

 

このシーンは2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の源頼朝と上総介の最期のシーンを思い出した。

 

江波は総務部に異動となり、高野は辞表を出して薫風社を辞めた。

 

高野の実家は、町の書店だった。映画の随所で、登場する。町の書店の苦境があちこちで表現されている。私も町の書店でバイトしていたので、よくわかる。

 

高野は、実家の書店を継いでいた。しかし、出版社でもあるという新しい試みをしていた。リリー・フランキーの作品を豪華な装丁で、1冊35,000円で売り出すのだ!!

 

どんでん返しや裏切りがあちこちにあり、伏線を回収していく面白い映画だった。

 

出版社や書店や本に興味ある人は十二分に楽しめると思う。

 

★★★★★のおすすめだ。