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第466話 赤い五月の使命(2006/11作品)
脚本協力:横溝邦彦
ページ数:83ページ
依頼者:ロシア ラーチン大統領の側近
ターゲット:
テロ組織赤い五月による炭疽菌の拡散を防ぐこと
ジキンスキー博士の救助
依頼金額:不明
殺害場所:ロシア カラ海の無人島・カニン島
殺害人数:22人
狙撃相手:テログループ赤い五月の兵士
赤い五月のリーダー、レーナ
H:0人
Part1 忘れられた"島"
ロシアの北極に近い海カラ海の無人島・カニン島
ジキンスキー博士達が完全防備で島に上陸する。島は35年前に炭疽菌に汚染され封鎖されていたのだ。ジキンスキー博士はこの島に上陸するのは7年ぶりだった。
ボルコフという男がジキンスキー博士らを支援する。
そこにボートが接岸し中から完全防備の人達が上陸し銃撃する。
ボルコフやジキンスキー博士ら15人が両手を挙げて降伏する。
包囲したのは女性のレーナ隊長指揮する”赤い五月”というテロリストたちだった。レーナは、ロシア軍人の惨めな扱いを変革させることが目的だった。
この島にいる炭疽菌は細菌兵器にするには密度が低すぎる。しかし、ジキンスキー博士の技術で、24時間以内に炭疽菌兵器になる量まで増殖させろ、とレーナは銃を突きつけて命じた。
Part2 二十四時間の勝負
炭疽菌の増殖には最低32時間かかる。しかしジキンスキー博士が秘密裡に開発した培養液を使うと24時間以内に可能なのだ。レーナはジキンスキー博士の助手ニコライからその培養液を入手していた。レーナはかつて細菌兵器部隊の細菌保持伍長だった。
Part3 モスクワの緊張
ドイツでのEU首脳会議に出席しようとしていたロシアのラーチン大統領に、側近が、カラ海の封鎖海域内の島でテロ行為が発生した、と報告した。
テロリストは赤い五月と名乗るロシア細菌兵器部隊の退役軍人たちだった。ソ連崩壊後の経済立て直し優先のために軍部を縮小したことに不満を持ったのだ。
炭疽菌が万一にもロシアに撒かれることを阻止するために、テロリストと博士、島毎空爆せよ、と命じるラーチン大統領。側近は、ゴルゴ13に依頼したことを話し、明日の17時までにゴルゴ13の作戦が成功したら空爆はしない、とラーチン大統領と約束した。
ラーチン大統領は、赤い五月の背後を洗うことを側近に命じた。そして心の中で、今回はゴルゴ13といえども成功の確率が低いと思っていた。
Part4 ”悪魔の島”へ・・・
飛行機に乗ったゴルゴ13に、ラーチン大統領の側近が状況と依頼内容を説明する。
ゴルゴ13は、行動性が普段の半分になる特殊スーツを着て、空から飛び降りる。
そこに赤い五月の兵士達が銃撃する。
どうやらロシアの中核に赤い五月の協力者がいて、情報が筒抜けのようだ。
地上に降りたゴルゴ13を赤い五月の兵士達が銃撃する。彼等は関節部分に蛇腹のような独自の工夫をした特殊スーツを着ていた。
Part5 悪魔の島の攻防
ゴルゴ13は、勝ち目がないので、なにかで敵を動揺させることを考える。
そして、グレネード・ランチャーで逃走用の船を攻撃する。
ゴルゴ13を囲んで攻撃する赤い五月の兵士達4人を、ゴルゴ13はあっという間に斃した。
Part6 切迫する時間
レーナの目的は、軍人の地位を80年代のソ連時代のエリート扱いにさせることだった。
Part7 敵は"狙撃者(スナイパー)"
ゴルゴ13は遠距離から、2発、2発、2発と銃を撃ち、その都度、精確に赤い五月の兵士の眉間をとらえて殺していった。
部隊の半分を失って動揺する副隊長。レーナは、落ち着かせて戦場に戻す。
Part8 狡猾な狙撃兵
あと1時間19分でロシアの空爆が始まる。また一人狙撃して殺したが、ゴルゴ13は早く制圧を終えないといけない。ゴルゴ13はグレネード・ランチャーを分解し火をつけた。その火に狙いをつける赤い五月の兵士達。そこで兵士達を狙撃するゴルゴ13は、あっという間に9人を狙撃した。
Part9 10オンスの炭疽菌
自分を解放しろ、というジキンスキー博士。レーナは炭疽菌を散布するために必要なシールド剤作製に協力しろ、という。約束が違う、と抗議するジキンスキー博士に、レーナは、革命の利益になるならどんな嘘でも許される、これが共産主義の基本線だ、と言って、彼を眠らせる。
レーナは閣僚からの極秘リークでラーチンが17時ちょうどに島を爆撃しようとしていることを知っていた。
ゴルゴ13は赤い五月の兵士を制圧して研究所内に入った。そこには炭疽菌に感染したボルコフがいた。炭疽菌とジキンスキー博士を背負ってレーナが逃げたと話した。
島の端にレーナがいて、バルーンのようなものを空中に上げた。それをエアサルベージ機が引っかけて回収するのだ。
ゴルゴ13はレーナを発見した。ゴルゴ13の背後に回った男がゴルゴ13を撃とうとした瞬間、ゴルゴ13は振り向きざまに男を射殺した。
レーナとジキンスキー博士をサルベージ機が回収した。空中に浮かぶ二人。ゴルゴ13は、ジキンスキー博士を固定している金具を狙撃して破壊した。ジキンスキー博士は地面に落ちた。
二発目はレーナの腰についていた炭疽菌の入れ物を吹き飛ばしレーナを殺した。
ゴルゴ13は依頼遂行の連絡をし、爆撃は中止された。
イギリスのグリュナード島では50年かけて炭疽菌を完全駆除した。ロシアでは今でも放置された炭疽菌の入れ物が発見され国際問題になっている、とナレーションが入る。
【感想】
ゴルゴ13対軍隊の戦いも何度かあるが、今回も完勝だった。
赤い五月とつながっていた閣僚が誰だかは今回の話ではわからなかった。
細菌兵器関連の豊富な知識に、軍隊にも負けない戦闘力が随所に見られるゴルゴ13のアクションが楽しめる作品だ。
第469話 TATTOO・刺青(2007/02作品)
脚本協力:竹内亮
83ページ
依頼者:MI6元局長
ターゲット:”地雷原のサソリ”と呼ばれるイスラム過激派ニューリーダー
依頼金額:不明
狙撃場所:アフガニスタン北東部山岳地帯
殺害人数:23人
殺害相手:”地雷原のサソリ”と呼ばれるイスラム過激派ニューリーダーとその部下たち
H:0人
東京-ジャパン-
東邦新聞社東京本社
大学時代の親友上条祐介の葬儀に向かう高見。上条は38歳で酔っ払い運転の車にひき逃げされたようだ。上条の妻は、一週間前に成島精機の横田が釣りの最中に高波にさらわれて死んだことも気にしていた。
Part1 不正輸出疑惑
2001年春
高見は、帝都物産と成島精機がパキスタンに3次元測定器を不正輸出した疑惑について取材しており、黒だったと考えていた。民事党代議士からの圧力により立件に至らなかったと高見は考えていた。
上条の妻は、横田が死んでから、自分も死ぬとか殺される、と怯えていた。
疑惑の機械の輸出先はサルタージ・トレーディングという会社で、横田の葬儀時、上条が持っていた名刺にはラジャブ・カリームという名が記載されていた。
Part2 すべては藪の中
高見はサルタージ・トレーディングという会社をウェブで検索したり、かつての取材メモから電話をしたが、なくなっていた。
高見は警察に上条の死について、聞き取りにいった。横断歩道を渡っている上条を赤信号を無視した大型トラックが突っ込んだのだった。
Part3 想定外の情報
帝都物産東アジア統括部の脇坂浩次が高見に連絡をとってきた。彼もラジャブ・カリームが上条の死に関連していると感じていた。不正輸出疑惑が問題になる数ヶ月前、上条は脇坂に日本一の刺青師を紹介してほしい、と言われた。そして"彫柾"を紹介した。そして脇坂は彫柾のアトリエから社のVIP用の車が出てきて、中に上条とアラブ人が乗っているのを見た。
Part4 日本一の彫師
彫柾の所に、高見が聞き取りに言った。2001年3月、サソリの刺青をしたことを話した。その時、通訳したのが上条だった。アラブ人の顔ははっきりとはわからなかった。
彫柾は、二週間前にもこの刺青の下絵を見に来た男がいたことを、話した。
Part5 氏名年齢容貌不詳
数週間前 ロンドン-イギリス-
2004年3月11日、その男の息子夫婦と6歳の長男と4歳の長女は、スペインマドリードで、200人の死者を出したテロによって全員死んだ。その男はMI6の局長などをしていた時の人脈を駆使してイスラム過激派ニューリーダーが首謀者であることをつかんだ。だが、その男は氏名、年齢、顔も不詳で、わかっているのは、”地雷原のサソリ”と呼ばれていること、二の腕にサソリの刺青をしていること、おおよその潜伏先の三点だけだった。”地雷原のサソリ”の消去が、この男の依頼だった。
おおよその潜伏先は、アフガニスタンのパキスタン国境付近の山岳地帯の洞窟で、そこは地雷原によって守られていた。
Part6 目をつけられた男
ペシャワルーパキスタン-
高見は、休暇をとって、パキスタンまで来て、サソリの刺青をした男ラジャブ・カリームを探していた。ラジャブ・カリームにとっていい取引の情報を持ってきた、と話す高見の背後にはゴルゴ13がいた。ゴルゴ13は高見の部屋506号室に忍び込んだ。
Part7 高見拉致さる
路上で殴られ気絶させられた高見が拉致された。ゴルゴ13はバイクに乗ってGPSを便りに高見を拉致した車を追跡する。車は地雷原を避けて移動しているようで蛇行していた。ゴルゴ13は車のGPSデータを記憶させて辿って行く。
Part8 自然の要塞
アフガニスタン北東部山岳地帯
高見はラジャブ・カリームに会った。高見は、天然痘ウイルスに遺伝子操作を加えた結果、生物兵器にうってつけの新型天然痘ウイルスの開発に成功した、と話し始めた。
高見は帝都物産の上条と成島精機の横田を殺すよう指示したのがラジャブ・カリームではないか、と問い詰める。ラジャブ・カリームは、それには答えず高見を牢に放り込んだ。
Part9 二人の捕虜
ゴルゴ13は岩肌が露出している所には地雷が埋められないこと、GPR(Ground Penetrating Radar)で地中を探査し通気口を確認した。
牢には英国諜報員モリスが入っていた。彼は英国特殊部隊が襲ってきたときのための人質となっていた。彼はラジャブ・カリームが砂漠の地の救世主たる象徴としてサソリの刺青を選んだ、とみていた。
モリスは、高見に天然痘ウイルスの出所を聞き出そうと、偽の話でひっかけた。高見が天然痘ウイルスなど持っていなくて上条と横田の死の真相を調べに来たことを探り当てた。
Part10 処刑宣告
ゴルゴ13は見張りを手刀で倒し、洞窟に侵入した。
ラジャブ・カリームは高見に処刑宣告した。
ゴルゴ13は煙を出す弾を撃ち込んだ。
Part11 燻り出し作戦
ラジャブ・カリームが高見を射殺しようとした時、ゴルゴ13が撃ち込んだ弾からの煙が充満してきた。アーモンド臭なので青酸ガスの可能性がある。ラジャブ・カリームは、通気口の排気ファンのパワーを全開にするよう命じた。
高見はその騒動の中、逃げ出した。
通気口を確認したゴルゴ13は、出入り口を爆破して封鎖した。
ラジャブ・カリームの仲間達が地上に現れると、ゴルゴ13が次々と射殺した。
ラジャブ・カリームも眉間を撃ち抜かれた。
高見とモリスは生き残った。
Part12 はね彫りの刺青
ラジャブ・カリームの死体を確認したゴルゴ13は、死体の刺青がはね彫りではないことを確認し、死んだラジャブ・カリームが影武者であることを見抜いた。はね彫りとは、皮膚に刺した針先をはね上げることで穿孔が広がり色素が多く入る技法だった。高見より前に彫柾を訪ねたのはゴルゴ13だったのだ。
本物のラジャブ・カリームはモリスだった。ゴルゴ13に銃口を向けるモリスだったが、高見に自分の刺青を見せようとしたすきに、ゴルゴ13に眉間を撃ち抜かれて死んだ。
ゴルゴ13は、高見を殺さなかった。ゴルゴ13の作戦に高見を組み込んだことの報酬だった。ただし、他言すれば命を捨てることになる、と脅した。
命が惜しい高見は上条夫人にゴルゴ13のことを省いて報告することにした。
【感想】
不正輸出疑惑の謎解きとゴルゴ13のアクションが組み合わさった作品だ。
新聞記者だが何だかずっこけている高見の存在が面白い。
第479話 愚か者の銃(2008/03作品)
脚本協力:ながいみちのり
75ページ
依頼者:なし
ターゲット:なし
依頼金額:なし
殺害場所:鉄道操車場
殺害人数:3人
殺害相手:ロバート市長
ロバート市長の側近ビルとエバン
H:0人
フロリダ、マイアミーU.S.A.ー
テラスでみんなが待っていると声をかける老人マック。
それに応えるアンジェラ。その日は彼女のすべてが失われてちょうど一年になる日だった。
Part1 宣戦布告
一年前
銃の規制法案強行推進派の市長ジョイのもとにナチスの鉤十字の紙切れが投げ込まれていた。アンジェラはそんなジョイが心配だった。
ジョイは妻のカレンととともに銃規制キャンペーンの資金パーティに行った。
そこに銃規制反対派のロバートがやって来て、宣戦布告した。
Part2 銃を愛する者と嫌う者
ロバートは空き地で廃車に激しく銃撃して、恥をかかされたジョイへの恨みをつのらせるのだった。
家に帰ったジョイはアンジェラと話をする。ジョイが銃規制を推進するのは、隣に住んでいたミランが5ドルの貸し借りで学校で同級生に射殺されたことがきっかけだった。その後ジョイは重犯罪研究のシンクタンクに勤めたのだった。そしてゴルゴ13のことも知った・・・
ロバートは女と寝ていたが、途中で起きて、自室の銃コレクションを見て満足するのだった。
Part3 暴漢
ジョイの部屋に覆面をつけた男が侵入し、銃で飼い犬を殺し、ジョイの妻カレンの眉間を撃ち抜いた。そして、「もし銃があればこいつをとめられたのに、な」という銃規制反対論者が好んで使う常套句を残した。
Part4 新市長のクセ
ジョイは、カレンの死を知り、100ドル足らずで入手した拳銃で自殺した。
テレビでロバート新市長を見ていたアンジェラは、カレンを殺した覆面の男と同じようにロバート新市長が首筋をかいているのに気づいた。
Part5 老人たちの洞察
元弁護士や元精神科医の人達とアンジェラが見たロバート新市長の話をするアンジェラ達。どうやら今アンジェラがいるのは老人ホームのようだ。シカゴで探偵をやっていた男は、初めはシラを切ってウソをついても、こっちがうまくひっかけると、大抵の奴がひっかかる、と話す。
Part6 復讐のためのウソ
ロバート市長の就任一周年パーティにサンシャイン老人友愛団体と称してアンジェラとマックが、やってきた。アンジェラは、カレンが射殺されたとき、ボイスレコーダーに録音中だった、とウソを話した。ロバートは、あの時自分が声を出していないはずだ、と確信していたが、明らかに動揺しており、首筋をかいていた。
帰りの車でマックは、ロバートが犯人だと確信したこと、自分が用心棒やヤバいこともやってきたこと、ある男を知っていることを話した。
Part7 ある男への接触(コンタクト)
数日後 フロリダ、キーズ
アンジェラはゴルゴ13に会った。
Part8 晴々とした笑顔
地下駐車場で車を降りたロバートのもとに、アンジェラが現れ、「私は・・・もうあなたを恨みません」と言って去った。
ロバートは、アンジェラが誰かに復讐を依頼した、と考え、予定を全てキャンセルし、ヘンドリック探偵事務所に連絡し、市警察本部長を呼び出した。
Part9 恐らく、相手は・・・
ヘンドリックは、ロバート市長を狙っているのがゴルゴ13だ、と情報を持ってきた。
ロバート市長と部下はゴルゴ13を迎え撃つ決意をした。
Part10 依頼者の迷い
ロバート市長はとうとう自宅で長期療養に入った。
マックはゴルゴ13が必ず仕事を実行する、と話した。アンジェラはマックに、実はゴルゴ13に依頼しなかった、と話した。
だが、そのことによって、ロバート市長から安心という壁を崩したのだから、アンジェラは復讐を果たしたのかもしれない、とマックは思った。
Part11 夕日の鉄道操車場
鉄道操車場で、ビルとエバンというロバート市長の側近が殺された。
ロバート市長の目の前に現れたゴルゴ13。アンジェラからロバート殺害依頼を受けたゴルゴ13を逆に殺そうとしたロバートだったが、ゴルゴ13は依頼を受けていなかった。そして、ゴルゴ13に牙をむいた時点でロバートは、ゴルゴ13の敵となり決着を見ることになるのだった。
【感想】
アメリカの銃規制問題は根強い問題だ。
銃規制派のジョイと銃規制反対派のロバートの対立。
銃に頼るがゆえに逆に銃によって疑心暗鬼にとらわれて自滅したロバート。
アンジェラによる息子の仇討ちかと思ったら、大どんでん返しが待っていた。ストーリー展開が見事な作品だ。
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