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松本零士 『クイーン・エメラルダス』

松本零士のSF代表作の一つ。

エメラルダスが探しているものとは何か?なぜクイーン・エメラルダス号はエメラルダスを選んだのか?エメラルダスの過去は?海野広は夢を実現できるのか?

などなど謎が登場しては結局謎が解明されずに、ストーリーが破たんして終わってしまうのは他の松本作品と同じだ。

他人の協力を得ようとせず、自分だけで夢を実現しようとする、意地っ張りで、どこかいじけて歪んでいる主人公の海野広。そんな海野を遠くから無償の愛(?)と強さで助けるエメラルダス。

銀河鉄道999』のメーテルに通じる松本作品共通の女性像だ。

無謀ともいえる夢を持つのは若者にとってはいいことだが、ここまで意地っ張りで、いじけていると夢は実現できないだろう。

同じ夢を追う物語でも『ONE PEACE』が、仲間を募り、仲間と喧嘩したり協力したりしながら、夢に向かうのとは大違いだ。

そこが松本作品の限界で、数巻で終わってしまう理由だろう。