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手塚治虫『ゴブリン公爵』秋田書店(1990/03/25)

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中国の殷の時代に作られた巨大な像、燈台鬼が発掘される。

それは超能力者が魂を移して動かすロボット兵器だった。

それを入手し世界征服を目指す男、珍鬼。

彼がゴブリン公爵だった。ゴブリン公爵を愛していながら止めようとする愛愛。ゴブリン公爵を敵と狙う沖縄出身の少年貫一。寺の僧侶だが実は中国の超能力研究所の所長である天乱和尚。

文化大革命の頃の江青を後ろ盾にして燈台鬼を発掘しようとするゴブリン公爵。

それを阻止した貫一や愛愛や天乱。

天乱や愛愛や貫一は、ベトナム戦争では燈台鬼にワクチンを運ばせ平和利用しようとするが、地元民が燈台鬼の姿から悪魔だと誤解しワクチンは捨てられ、平和利用は失敗する。

海上石油基地を隠れ蓑にして現代版燈台鬼を造ろうとしたゴブリン公爵。

貫一や愛愛は燈台鬼を使って戦う。

ゴブリン公爵の肉体は滅ぶが魂は抜け出し燈台鬼に入る。愛愛は燈台鬼に魂を移して浅間山火口に飛び込みゴブリン公爵の野望を打ち砕く。

 

『三つ目がとおる』や『魔神ガロン』に近いストーリーだ。

ゴブリン公爵がどうやって江青に取り入ったのか。なぜ「公爵」なのか。漢人なのかヨーロッパ人なのか。天乱和尚や愛愛がどうして超能力を得たのか、などの多くの謎は結局、明らかにならずに終わったのが残念。