結婚した男によって、父の財産と命を奪われ、太平洋の孤島に逃れたゼフィルス。
彼女たちはお金、法律、男への復讐を誓う。
ゼフィルスはデルモイドZをかぶった7人姉妹だったのだ。
人工皮膚マスク「デルモイドZ」の登場により、別人になりすますことができるようになった。そのため犯罪が激増し、他人になりすます人達が増えてしまった。
デルモイドZは、モンテ・クリスト(実はゼフィルスと共に復讐を果たそうとするミス・クリスト)の発明品で、足達原工業を通じて、大量生産していた。
安達原は、戦友の関の息子五本松に、ゼフィルスの小隊を探らせる。
五本松は金にも女に興味がなく、ただ酒だけに興味を持つ男だった。
ゼフィルスの一人ミルダやミス・クリストは、そんな五本松に恋に落ちてしまうのだった。
ゼフィルスの一人は、ゼフィルスが隠した金を偶然石油井戸で発見した青年に対する流れ弾を受け死亡する。
デルモイドZを使って、昔の男のそばに住む女。デルモイドZを使って変装した赤の他人同士が作る幸せな家族。
本編のストーリーとは別な挿話がなかなかいい。
ゼフィルスの本拠地マムウ共和国(女王ゼフィルスがいるから本当ならマムウ女王国だと思うが)は、ムー大陸の跡地で、島内に途方もない量の黄金があった。
ゼフィルス達はその黄金を世界中にばらまき、金の価格を暴落させてしまった。
安達原が芸者に生ませた子、野末風太郎はクーデターを起こし、安達原の娘ナナを抱き復讐する。
五本松を捕まえた野末を、ミス・クリストとミルダは、殺し、ミス・クリストは野末に変装するが、クーデターを起こした軍によって射殺される。
世界中が滅んだ後、五本松とミルダは、酒を造り、都会に行き物々交換して生活している所に、他のゼフィルス姉妹が現れ、五本松を爆殺してしまう。
それから20年が経過し、五本松の息子六本松が、マムウ共和国を破壊して旅に出る。
経済が破綻し、無法地帯になった世界を描くことで、人間の本質を暴こうとした傑作だ。