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大谷アキラ / 夏原武 / 水野光博 『正直不動産 第1巻』小学館 (2017/12/27)

登坂不動産に勤める永瀬財地は、営業成績を上げるためには何でもやるような男だった。

「千三つ」という言葉は、「千件あっても契約に至るのは3件」という意味の他に「千の言葉の中に真実はたった三つ」という意味がある。永瀬はその言葉を信奉するくらい嘘にまみれた男だった。

ある時、彼は、アパートを建てる予定の敷地にあった石碑を破壊してしまう。

それ以来、永瀬は嘘をつけなくなってしまった。

その石碑に関する言い伝えでは「願わず語らずの碑」で、その石碑の前で不遜な態度や嘘をついた場合、祟られ嘘をつけなくなる。」

 

第1直・第2直 敷金・礼金泥棒

サブリースローン契約では、不動産会社が損しない契約条項が入っていることを解説している。

周囲の相場より安いが、賃借人が頻繁に変わる物件は、オーナーが敷金・礼金をとるために、わざと古い敷物やカーテンを置いておき、店子が処分したら、「原状復帰不可能」ということで敷金をとる例が紹介されている。

 

第3直・第4直 囲い込み

不動産を販売する場合、不動産会社と一般媒介契約か専任売約契約か専属専任売約契約を結ぶ。一般媒介契約だと他の不動産会社がより好条件の買い手を見つけると他の不動産会社には一銭も入らない。専任売約契約か専属専任売約契約の場合、手数料が入るし、買い手からも手数料が入る。

永瀬は同僚の桐山にお客を奪われてしまう。

しかし、400万円を超える物件の仲介手数料が、「成約価格の3%+6万円+消費税」だが、「成約価格の3%」は法令で決まった上限額であることをこっそりお客に伝え、感謝され、嘘をつけなくなった永瀬はしばらく不動産屋を続けることを決意する。

 

第5直・第6直 店舗契約

登坂不動産の社長と、多数の物件を所有する通称マダムが登場する。

社長は、マダムの担当をカスタマー・ファーストな不動産営業を目指す月下にする。

月下はマダムを説得して家賃を下げてもらう。

社長とマダムはどこかのバーで話をする。社長は「(月下が)優秀だと思ったから君の担当にしたんじゃないか」と言う。この2人の真意はなかなか読めない。

 

第7直 新・中間省略登記

営業途中で偶然見つけた空き地。

その所有者のところに通い始めた永瀬。

所有者は地元の不動産屋とも話をしているとのこと。

所有者のおばあちゃんと仲良くなり、「地元の不動産屋」が登坂不動産のライバル桐山であることを知ってしまった。