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マルセル・プルースト 『失われた時を求めて〈1 第1篇〉スワン家のほうへ』筑摩書房 (1992/09/01)

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■マルセル・プルースト (著)

■井上究一郎(訳)

■失われた時を求めて〈1 第1篇〉スワン家のほうへ (ちくま文庫) [文庫]

■出版社: 筑摩書房 (1992/09/01)

■ISBN-10: 4480027211

■ISBN-13: 978-4480027214

■発売日: 1992/09

 

 20世紀最高の小説の一つと言われているので、文庫版発売直後に買ったが、なかなか読めなかったが、ようやく、読了した。

 「本書のような小説はもう書かれることはないなぁ・・・」というのが第一の感想だ。絵で言うとレオナルド・ダ・ヴィンチの『モナリザ』のように、緻密に何度も塗り重ねたような文体なのだ。一文が長く、しつこいくらいに細部を描写しているのだ。スピードを重視する21世紀では、このような時間のかかる表現をする作家は現れないだろう。

 本書を購入してから20年くらい経過してから本書を読んでよかった、と思った。40歳代になって、本書のテーマである「失われた時」を実感したからだ。

 この巻では、オデットに恋したスワンの恋心や嫉妬などの心の動きの表現が圧巻だ。恋をしたことのある人なら誰でも、共感できると思う。