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アリス・ファースト・ライヴ

アリス・ファースト・ライヴ 1972年11月西宮市民会館大ホールで開催されたアリスのライヴ・アルバム。  アリスの良さは何と言ってもコンサートにある。アリスがオリジナル・アルバムの『アリスⅠ』の次に出したのがこのライヴ・アルバムなのはアリスらしい。  コンサートではなくリサイタルという言葉を、笑いをとるために使っているのが、当時の時代状況がわからないので私には理解できない。  選曲や曲順などは素人っぽい。『アリスⅠ』発表後なのにあまり歌っていないのはなぜだろうか?『明日への讃歌』を二回歌うところはまだまだ力不足だが、これからの伸びしろを感じさせるライヴだ。 1.メドレー:明日への讃歌~木枯らしの街  どんな風にコンサートが始まったのだろう?『明日への讃歌』が始まっても観客がステージに集中していないのだ。後のアリスのライヴからは考えられないことだ。徐々に観客も集中してくる。『木枯らしの街』は二人のヴォーカルがとてもいい。この頃のアリスはまだ売れるための曲作りができなかった。もう少し長い歌詞だといいのに、と思うのは私だけだろうか。 2.あなたのために  初期のアリスの曲の中ではノリがいい曲だ。コンサートの前半に持ってきて盛り上げている。 3.恋の悩みは不思議なもの  3曲目でこのような静かな曲はどうだろう。『アリスの飛行船』などあと二曲くらいノリがいい曲をやってからこのような落ち着いた曲にすればいいと思う。それとも実際はもっと長いライヴだったのを一枚のレコードに収めるためにカットしたのだろうか。 4.ベーヤン(堀内孝雄)のコーナー~冬の日  アリスのライヴにはメンバーそれぞれのコーナーがある。この日のトップバッターはベーヤンだ。ベーヤンのトークは今一歩。選んだこの曲も、インパクトを残すに至らない。まだプロに成りきれていない初々しさがある。 5.キンチャン(矢沢透)のコーナー~白い夏  矢沢透堀内孝雄と一緒に『白い夏』を歌う。ベーヤンとキンチャンでは声量のバランスが悪い。ベーヤンが一生懸命、キンチャンのために声量を抑えているのがわかる。でもキンチャンはそれでいいのだ。それでこそキンチャンなのだから。 6.走っておいで恋人よ  アリスのデビューシングルだ。ギター二本と二人のヴォーカルだけのシンプルだが、暖かい優しさの伝わる曲だ。 7.チンペイ(谷村新司)のコーナー  谷村新司トークは定評があるが、このライヴでも笑いあり、真面目な話もあり、十分に楽しめる。23歳の谷村新司が既にこの時、人が同じ時間を共有する事の素晴らしさ、めぐり逢いのすばらしさをメッセージに込めていることに改めて驚く。たとえ別れがあっても、一瞬でもほんの少しの間でも時間を共有する事は素晴らしいことだ。 8.小さな恋の物語  静かな曲だ。この頃同じタイトルのほのぼのした漫画があったのを思い出した。みつはしちかこだったろうか。背の小さな女の子と背の高い男の淡い恋を描いた漫画だ。その漫画にインスパイアされたのかどうかわからないが共通するところのある曲だ。 9.好きじゃないってさ  宴会モードの手拍子とともに観客とノリノリで一緒に歌っている。一度静かになった会場をまた盛り上げるためには最適な曲だ。 10.知らない街で  生ギター二本とコンガだけでは迫力不足が否めない。キンチャンにはやはりドラムを叩かせたい。 11.明日への讃歌  アンコールに応えてこの日二度目の『明日への讃歌』だ。二度目だけに観客も聴き入っているし、演奏もこなれている。キンチャンのコンガをドラムにさせてあげたい。