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『燃えろ!新日本プロレス』4号(2011/11/24)

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■燃えろ!新日本プロレス 4号

■出版社: 集英社; 隔週刊版 (2011/11/24)

■ASIN: B006489FZ8

■発売日: 2011/11/24

 

1.「アントニオ猪木vsストロング小林」1974年3月19日 蔵前国技館

 私がプロレスにはまったのは、小学生の時にこの試合をテレビで見てからだった。それだけにとても楽しみだった。国際プロレスのエースだったストロング小林が、新日本プロレスのエースアントニオ猪木と団体の存続を賭けて戦うことに鳥肌がたったものだ。

 今、大人になってあらてめて見ると、あのぴりぴりするような緊迫感に鳥肌が立ってきた。試合内容は、ロープに飛ばず、互いに技らしい技を出せずに時間が経過する。しかし、緊張感があって、時間が短く感じられる。現代のプロレスでは、一試合で何発も出るブレーン・バスターやダブルアームスープレックスが、この頃の試合では、一発でフィニッシュになるので、選手は食らうまいとしてディフェンスする。観客も投げようとする選手と投げられまいとディフェンスする選手の動きを知っている。手に汗握るその駆け引きに魅了される。

 試合が動いたのは、猪木の一発のナックルパートだ。小林はバタンとマットに横に倒れ、しばらく立ち上がれなかった。ナックルパートは反則だが、そのままKOになってもおかしくない強烈な一撃だ。

 場外乱闘で猪木が流血するが、その流血のまま、首で支えた執念のジャーマン・スープレックス一発で猪木が勝つ。この試合で猪木のストロングスタイルが確立したと言っていいだろう。この後、二人は再戦し、卍固めで猪木が勝った試合があるが、それもぜひDVD化してほしいものだ。

  

2.「アントニオ猪木vs大木金太郎」1974年10月10日 蔵前国技館

 力道山道場の兄弟弟子対決の試合。私はこれもリアルタイムでテレビで見て、とても興奮したのをよく覚えている。大木の頭突き14連発で猪木が流血するが、猪木が大木の頭突きに恐れず前へ前へと進んでいく姿がかっこいい。猪木のバックドロップ一発で勝負が決するが、試合後の二人の握手と涙の熱い抱擁のシーンが感動的だ。

 

3.「アントニオ猪木&坂口征二vsタイガー・ジェット・シン&上田馬之助」1977年4月1日 蔵前国技館

 北米タッグ選手権。チャンピオンは凶悪コンビで、黄金コンビが挑戦者。

 レフェリーは伝説のレスラー、ルー・テーズ。ルー・テーズがタイガーを殴る姿、厳しく反則を取り締まる名レフェリーぶりが見られる。今はほとんど見ることのない三本勝負だ。

 この頃のタイガー・ジェット・シンは、観客席には乱入するは、凶器は使うは、反則はするは、フィニッシュに使っていたコブラ・クローはチョークなのにフォールをとるは、サーベルで若手をたたきのめすし、本当に憎らしかった。今見ると、それだけ悪役に徹していたシンに感服する。

 しかし、当時から、なぜサーベルの切れる方でついたり切りつけたりしないのか、不思議だった。この試合で用意したサーベルは刃の部分が曲がってしまっていて、いかにもオモチャという感じの安っぽさがあったのはいただけない。小学生の私でさえ、プロレスのからくりに気づいてしまったからだ。

 だが、そんなことはどうでもいい。プロレスの素晴らしさは、別な所にあるのだから。

 しかし、今見ると、あの頃、憎たらしかったシンが、ちゃんと大人のレスラーとして試合をしているのがよくわかる。コブラ・クローも極めているようで、跡さえつかないようにしているし、観客席になだれこんでもきちんと計算している。

 私も大人になって、そういうところも見極めることができるようになった。小学生の頃は、シンや上田を、猪木に代わってたたきのめしてやりたい、と本気で思っていたものだ。そういう感情になったことが懐かしい。