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東谷暁 『エコノミストを格付けする』文藝春秋 (2009/09/17)

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■東谷暁

■エコノミストを格付けする

■出版社: 文藝春秋 (2009/09/17)

■ISBN-10: 4166607146

■ISBN-13: 978-4166607143

■発売日: 2009/09

 

 2009年時点で活躍していた多数のエコノミスト達が発表している本を多数読み、現実の経済状況と比較して、格付けした本だ。

 本書のあとがきに「数式やグラフが並び、綿密な論理によって組み立てられたエコノミスト達の議論を読めば、ここには客観的な真理を追究する「科学」があると思うかもしれない。しかし、お互いを激しく罵りあう論争や、自説についての傲慢なまでの確信を目の当たりにすると、むしろ、それは「宗教」に近いのではないかとすら感じることもあった。」とあるが、多くの人がそう思っているのではないか。私もその一人だった。

 ずっと以前から、エコノミスト達が言っていることが正しいのかどうか疑問に思っていたが、本書を読んで、やっぱりエコノミストの言うことがあてにならないことがよくわかった。

 経済は、人間が発明したものなのに、発明した人間でさえ、理解不能で、コントロールできないのが経済である。本書を読むと、そういう点があらためてよくわかる。

 そして、世の中で、「論理的」と思われていることが、実は、非論理的な主張が先にあり、その説明のために論理的な皮をかぶせているだけであることが、あらためてよくわかった。