■別宮 暖朗 (著)
■帝国陸軍の栄光と転落 (文春新書) [新書]
■出版社: 文藝春秋 (2010/04)
■ISBN-10: 4166607502
■ISBN-13: 978-4166607501
■発売日: 2010/04
大日本帝国陸軍創設から滅亡までの通史である。日本陸軍の歴史を概観する入門書としてはお薦めの一冊。
満州事変で、大東亜戦争で、なぜ、陸軍が政府のコントロールが効かなくなり暴走を始めたのか、よくわかる。
個人的に興味深かったのが、仇敵同士といえる軍部と社会主義が実は経済政策としてはどちらも統制経済を目指していて同じ考えだと言うことに気づかされた点だ。もちろん軍が経済を統制する主体は、軍と党という違いはあるが・・・。単純に右翼(全体主義)の対極が左翼(共産主義)と認識していると実は間違っていたのだ。
昭和の軍が、秀才化し官僚化し、独善的で感情的で非論理的に世界を認識し、下剋上の行動をし、自分達の既得権を守り最大化しようとして、国を亡ぼした。さて、平成の官僚はどうだろうか?