haruichibanの読書&視聴のおと

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さいとう・たかを『ゴルゴ13 186 BROTHER HOOD・絆』(リイド社)(2017/09/19)

 



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『BROTHER HOOD・絆』(2010/08作品)(脚本協力 ながいみちのり)

依頼者:公安調査庁調査部 深見敬一 弟 深見良助

ターゲット:ムハンマドの再来(サイイド・ムハンマド・アブトゥラー・ハッサン)と呼ばれる男が持つ石

依頼金額:不明

狙撃場所:エチオピアソマリア

殺害人数:0人

 

公安調査庁調査部の深見敬一は、瀕死の妻より仕事を優先したため弟の良助に軽蔑され縁を切られていた。良助は短距離選手だったが、エチオピアに行き、現地に溶け込んでいた。

エチオピアの良助のもとに敬一が突然現れた。

 

ソマリア沖の海賊によってコンテナ船が襲われた。積み荷の中に日本で印刷された某国国債が奪われたので奪回したい、というのだ。海賊に何らかのつながりがある部族長のナディブが良助に恩義があるので、良助にナディブとの間をつないでほしい、というのだ。

最初は拒絶する良助だが、良助は敬一に協力する。

そして、ナディブは、ムハンマドの再来と呼ばれる災厄を取り除くことを条件に、敬一に強力することを約束する。

 

敬一がゴルゴ13接触し、ムハンマドの再来の「排除」を依頼した時、良助がムハンマドの再来のカリスマ性の「無力化」を依頼する。

ムハンマドの再来はナディブの弟だったのだ。

 

ゴルゴ13は、ムハンマドの再来が首から提げている石を撃ち、ナディブの弟の命は奪わなかった。

 

深見兄弟とナディブ兄弟、二組の兄弟の絆とゴルゴ13の見事な射撃を描いた作品だ。

 

 

異次元実験の危機(2011/02作品)(脚本協力 横溝邦彦)

依頼者:欧州合同原子核研究機構(CERN)の物理学者ミルザ・ニーシャ博士

ターゲット:セルンを破壊しようとするセルビッチとバルトクラウド社CEOイルヴェス(イルヴェスの運転手)

依頼金額:不明

狙撃場所:セルビッチ(セルンの地下) イルヴェスと運転手(リトアニア ビリニュス)

殺害人数:3人

 

世界最大の加速器セルンを運営するCERNに美女で話題の物理学者ミルザ・ニーシャ博士が来た。宇宙の4つの力(強い力、弱い力、電磁力、重力)のうち重力が小さい理由は、重力のエネルギーの多くが異次元に逃げている、という仮説を立てている。その証明のためにCERNに来た。

CERNに勤めているセルビッチはその仮説に批判的な男だ。

彼はバルトクラウド社CEOイルヴェスが送りこんだ破壊工作者だった。

イルヴェスはライバルのクラウド業者リヨン・クラウドの信頼性を損ねて株を安値で買い欧州のクラウド市場を握ることが目的だった。そのためにリヨン・クラウドの施設や変電所やセルンに破壊工作員を送りこんでいた。

 

ミルザは何者かが停電を起こしセルンに被害を与えようとしている兆候を知り、ゴルゴ13に依頼する。

 

ゴルゴ13は、セルンに忍び込み、セルビッチを殺して彼の破壊工作を止めた。その背後にイルヴェスがいることをつかみ、逃げるイルヴェスを運転手もろとも射殺する。

 

野望実現のために仕掛けたイルヴェスの破壊工作。ゴルゴ13がイルヴェスに到達するまでの過程。セルビッチの破壊工作。人体に影響ある放射線中性子線が出ないわずかな時間帯にセルンに侵入したゴルゴ13

一見無関係に見えることがつながっていくストーリー展開が面白い作品だ。

 

禁忌のスコープ(2010/08作品)(脚本協力 横溝邦彦)

依頼者:なし

ターゲット:レンズマニアのジャクソン

依頼金額:なし

狙撃場所:東京

殺害人数:1人

 

写真家の原が、レンズマニアの柳井の所に、カンボジアで拾ったスコープを持って、やってきた。

カンボジアで取材中に川の中で偶然発見した荷物の中味がそのスコープだったのだ。

柳井はそのスコープの精巧さを見て驚く。

柳井は、スカイプで、同じレンズマニアのアメリカ人ジャクソンに相談する。

ジャクソンは柳井に危険だから口外するなと忠告する。

 

そして・・・ジャクソンは東京の柳井の元にやってきて銃を突きつける。

ジャクソンはそれが金になることに気づき、ペンタゴンやCIAに売り込んだのだった。

危機一髪のところで、ジャクソンが狙撃された。

その直後原の携帯電話が鳴り、「5秒以内にスコープやデータを捨てろ」と指示する。命が惜しい原は言うとおりにする。

 

スコープはゴルゴ13のものだったのだ。