「昭和40年代に育った人なら、絶対泣ける小説だから絶対読みなよ。」と勧められて読んでみた。
愛情があるのに、不器用なため、素直に愛情を表現できない父親が男手一つで息子を育てていく物語。
彼が大好きで、お節介な、幼なじみ達が、彼を支えて、子育てを手伝う、という古き日本の社会が、瀬戸内の田舎町を舞台にして、描かれている。
昭和40年代前半に生を受けた日本人なら、誰しも、「ああこういうことあったな。こういう人がいたなぁ。」と思い返すことだろう。
翻って現代の子育てを見ると、核家族が増え、地域コミュニティが崩壊している所が多いので、子育ては父親や母親だけでやり、人によっては育児ノイローゼに苦しんでいる。この小説のように子育てを、多くの大人達が支えてやることが大事だと思う。
こういう不器用な男は、日本では数多くの小説や映画やドラマに登場する。だが、海外ではあまり見たことは無い。国民性の違いなのかもしれないが、ぜひ日本に興味のある海外の人にもぜひ読んでもらい、感想を聞かせてほしい。