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手塚治虫『W3(ワンダースリー)』秋田書店(1995/04/10)

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国際連合の宇宙版『銀河連盟』で、戦争ばかりしている地球をどうするか会議が行われていた。

 

結局、調査員を派遣し、1年間調査し、その結果を見て、地球を滅ぼすか救うか決めることとなった。

 

派遣された調査員が、ワンダースリーだ。ボッコ少佐、プッコ中尉、ノッコ兵長の3人だ。地球に反陽子爆弾を持って、着陸した。

 

着陸した途端、「フェニックス」のF7こと星光一と武器商人の戦いの場に出くわした。

 

ボッコ少佐はうさぎに、プッコ中尉は鴨に、ノッコ兵長は馬になり調査を開始する。

しかし、地球人と戦いになり、プッコ中尉は反陽子爆弾のスイッチを押してしまった。

星光一の弟の星真一がワンダースリーを助けた。プッコ中尉は反陽子爆弾のスイッチを止めた。星真一は一本気なため、村で孤立していた。

 

星光一とエリゼは、ガイコツ衛星発射を妨害するために、ユダ島に忍び込む。

プッコは秘かについていったが、ユダ島で光一とエリゼが銃殺されるのを目撃し、ボッコやノッコのもとに飛んで戻ってきた。

プッコは円盤と反陽子爆弾を村の中に隠したが、嵐による土砂崩れで流されてしまい、敵の手中に渡ってしまった。

 

星光一とエリゼは実はユダ島で生きていた。しかし世界中に犯罪者としてその名前が伝えられてしまった。そのため、星真一は村八分にあってしまった。だが、馬場先生と不思議な女の子のカノコちゃんだけが、真一の味方だった。

 

星真一は東京のフェニックスの基地に行き、フェニックスに加入する。

 

ユダ島では、反陽子爆弾を動かし始めていた。

真一やワンダースリーもユダ島に向かう。

ワンダースリーは反陽子爆弾を取り返したが、そこで円盤が故障してしまい、地球内部の熱でワンダースリーの3人が死んでしまいそうになる。

 

テレパシーで真一に必要な部品の設計図を描き真一が馬場先生に相談する。馬場先生は五目に相談する。五目はそのパーツを作り、物質電送機でワンダースリーの宇宙船に送った。ワンダースリーは宇宙船の修理を終え、真一のもとに飛んできた。

 

そして、反陽子爆弾がまだ地球内にある、と嘘をつき、世界中が平和にするように、というメッセージを残す。ワンダースリーは宇宙に飛び、どこかで反陽子爆弾を処分した。

光一はそのアイデアに賛成し、地球は平和になった。

 

銀河連盟の裁判で、ワンダースリーが反陽子爆弾を捨てたことで有罪となった。3人は、希望の星の住民に姿を変えられ島流しになった。地球時間の10年前に地球に到着した。銀河連盟の担当者は、3人の姿を変えるときにヘソを付け忘れるミスをした。

 

実は、カノコちゃんはボッコ少佐、五目はプッコ中尉、そして馬場先生はノッコ兵長だったのだ。

 

地球と星真一を愛するボッコ少佐。

ボッコ少佐に好意を寄せ、早く地球を爆破し任務を遂行したいプッコ中尉。

ボッコ少佐の命令に忠実で、のんびりした性格のノッコ兵長

3人の個性的なキャラクターの活躍と、テンポのいい展開が面白いSF漫画だ。

 

地球内部にあっていつ爆発するかわからない反陽子爆弾。そのせいで地球が平和になるというパラドックスだが、21世紀になっても平和になれない人類に対する警鐘となる傑作漫画だと思う。