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さいとう・たかを『ゴルゴ13 210 英雄は、風の中で眠る』(リイド社)(2023/09/19)

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第570話『英雄は、風の中で眠る』(2017/04作品)(脚本協力 テーラー平良)

ページ数:139

依頼者:インドネシア軍特殊部隊コパススの司令官ジャガド

ターゲット:覚醒剤ナルコバ市場を牛耳るジャワ7の一人リマディ・グスマン

依頼金額:不明

狙撃場所:東ティモール リマディの島

殺害人数・相手:12人(リマディの部下10人、覚醒剤ナルコバ市場を牛耳るジャワ7の一人リマディ・グスマン、インドネシア軍特殊部隊コパススの司令官ジャガド)

 

 

インドネシア。人口2億5000万人。経済成長率6%だが、貧富の差の拡大と麻薬の蔓延に悩まされている。

 

インドネシア政府のジョゴ大統領、スピ国防大臣、ジャガド司令官、アティ中尉らが会議をしている。

ナルコティカ・オバット通称ナルコバの中毒者は推定500万人。15歳の少年だけで年間10万人、60代では26万人も死亡している。

ナルコバとはメタンフェタミンつまり覚醒剤ヒロポンだ。ヒロポンという名前は「疲労をポンと取る」に由来し1893年に日本で発明された。

そしてナルコバ市場を牛耳っているのはジャワ7と言われる7人のボスたちで、一人は東ティモールにいる。

そのボスのいる場所を突き止めたジャガドは特殊部隊コパススを既に向かわせていた。

 

ジャガドは東ティモール独立戦争の時、虐殺、レイプ、拷問などありとあらゆる悪事をしており、当時の状況の再調査が決定した。

 

東ティモール、リマディ・グスマン(あだ名はアボ。海ワニの生まれ変わりと呼ばれている)の島で、コパスス最精鋭の二個小隊が壊滅した。

リマディ・グスマンはジャガドに無線で会話し、当時の事を証言してもいいぞ、と脅す。

 

リマディの部下たちがコパスス隊の死骸を始末しようと浜辺に出ると、浜辺には多数の溺死体があった。そこにゴルゴ13もおり彼だけ生きていた。部下たちが全員殺そうとしたところ、リマディの戦友のヨギが現れ、昨夜爆弾低気圧が通ったこと、リマディなら生きていた男を連れてこいというはずだ、と話した。

 

ジャガドはアティにリマディの島に潜入するよう命令する。アティは東ティモール系で、東ティモール系住民はインドネシアでは貧困にあえいでいた。ジャガドは東ティモール系住民への援助を約束した。

 

リマディはゴルゴ13を取り調べていた。ゴルゴ13は仕事後客船に乗って爆弾低気圧に遭い船が沈没した。一隻の救命ボートに乗り込もうとしたところ船員が銃撃し怪我をしたのだった。

 

アティはうまくリマディの島に潜入した。コパススのハリリ少佐はゴルゴ13とともに捕らえられていたが、アティがやってきて、ハリリ少佐とゴルゴ13を鎖から解き放つ。

 

ハリリ少佐はゴルゴ13のことを知っておりジャガドがリマディ殺害を依頼するのを仲介する。アティはゴルゴ13より先にリマディを殺そうと狙う。

 

ゴルゴ13は武器を入手しようとしてヨギのもとを訪れる。ヨギから弓矢を受け取り、島の鍾乳洞がふいごの役目をして定期的に風向きが変わることを聞いた。

 

東ティモール独立ゲリラだったリマディを捕らえたジャガドだったが嵐に遭い、ジャガドはリマディをナイフで刺したが、リマディは生き延びた。

 

リマディの妻マリアナインドネシア軍に従軍させられた。そのインドネシア軍を襲ったリマディだったが、ジャガドには逃げられ、マリアナは流れ弾に当たり命を落とした。

 

アティはうまくリマディの小屋に侵入したが、リマディは匂いでアティが娼婦でなくナルコバ中毒でないことも見抜き縄で縛り付ける。

 

リマディはゴルゴ13とハリリ少佐を追いかける。

ゴルゴ13は弓矢でリマディの部下10人を殺害する。

 

夜が明けた。腕を怪我しており遠距離で弓を射ることができないゴルゴ13は樹上でULFB(unlimited footbow)という姿勢で待機する。風向きが変化したとき200m以上の距離でリマディを射殺した。

 

ジャガドが救援の飛行艇を送ってきた。ヨギがジャガドに挨拶すると、ジャガドがヨギに拳銃を向ける。ゴルゴ13がジャガドがリマディ達を刺した因縁のナイフでジャガドを殺す!

 

ゴルゴ13とアティとハリリ少佐は飛行艇に乗り、ゴルゴ13とヨギは敬礼をして別れた。

 

 

今回は依頼人からの金を受け取った形跡がない。その上依頼人ゴルゴ13は殺している。

今回は金を受け取り損ねたのだろうか?ハリリ少佐からもらったのだろうか?

インドネシア東ティモールが早く安定して経済成長することを祈る。

 


第568話『G戦場のニンジャ』(2017/02作品)(脚本協力 品川恵比寿)

ページ数:102ページ

依頼者:古武道忍術、見城幽斉

ターゲット:かつて見城幽斉の弟子だったが暗殺技を極めようとして破門した蛭田道心

依頼金額:200万ドル

殺害場所:ベネズエラ最大の湖、マラカイボ湖湿地帯

殺害人数:7人(蛭田道心、蛭田道心の弟子くノ一楓、蛭田道心の弟子5人)

H:0人

 

ベネズエラ、カラカス、貧民街。

一人の男を多数の男が襲う。襲われた男は格闘術や手裏剣で対応するが拳銃で撃たれた。

 

「ひ、蛭田老師・・・」と男が言うが蛭田は「五十嵐・・・おまえは卒業認定失格じゃ。」と言われる。

次に女が男達に襲われるが、女は逆襲する。

蛭田は「くノ一楓は合格じゃ!」と言う。

 

蛭田はベネズエラで6名の合格者達を前に蛭田ニンジャ流派のブラジル総本山道場設立を目指し策謀を巡らす。

 

田所商事の社員雛形昭彦とその娘瑠璃が誘拐された。5000万ドルの身の代金が請求された。

 

ベネズエラ最大の湖、マラカイボ湖湿地帯

田所商事の森谷部長と鎌足は雛形を誘拐犯と交渉するために向かっている。

この地域は落雷多発地帯だった。

 

東京で古武道忍術、見城幽斉がゴルゴ13に会った。

かつて弟子だったが暗殺技を極めようとして破門した蛭田道心の暗殺を200万ドルで依頼した。

 

ベネズエラアンデス山脈付近に雛形親子は監禁されていた。脱走を図ったが失敗した。

 

ゴルゴ13はヘリコプターでマラカイボ湖の近くまで来たがヘリコプターのパイロットは、雷がこれ以上は近づけない、と言う。

ゴルゴ13はヘリコプターからスカイダイビングで地上に降りる。

 

バージニア州CIA本部ではギャラガー部長に部員がゴルゴ13が蛭田暗殺に向かっていることを報告した。

 

田所商事がなかなか身の代金を払わないので、蛭田は瑠璃の殺害予告の後、瑠璃を殺すよう命令した。

 

ゴルゴ13は蛭田の所に向かうが雷のあめM-16が使えないことを悟る。

 

そしてとうとうゴルゴ13が蛭田のもとにやってきた。

そして6人の弟子達と徒手で戦う。

一人目のストレートパンチをかわし、二人目の廻し蹴りをかわし二人目に裏拳打ちを決め、一人目の延髄に廻し蹴りを当てる。

残った4人が手裏剣を持った。

ゴルゴ13がわずかに動揺する。

蛭田がその動揺を見て、手裏剣がセラミックス製であることを話す。

 

ゴルゴ13は正面の男に石を蹴りつけ、背後のスキンヘッドの男が手裏剣で突いてくるところをかわし、手裏剣をふりかぶってくる男の延髄にチョップを当てて倒す。

スキンヘッドの男の攻撃を腕をとって投げ飛ばす。

次の男が手裏剣を投げたのをゴルゴ13は左腕で受け、左脚の蹴りを右にかわしながら手裏剣を左腕から抜き男の首を斬った!

 

残りは蛭田と楓だ。蛭田は楓を制し手を後ろに組んでゴルゴ13に近づいてゆく。

ゴルゴ13のパンチを蛭田はかわし左腕をとり押さえつけた。

ゴルゴ13は左腕が折れても右手で石をつかみ蛭田の額に渾身の力で叩きつけた。

蛭田は崖から落ちていった。

楓が「お、おのれ~~っ!!」と言ってゴルゴ13に立ち向かおうとしたところをゴルゴ13は手裏剣を投げて彼女を倒した!

「に、忍者は肉を切らせて骨をはじめとする断つ・・・が、奴は・・・骨を折らせて命を絶った・・・」と言って蛭田は絶命する。

 

ゴルゴ13は雛形親子に救助隊が居る方向を指示し去って行った。

 

忍術の道場を開設するために誘拐する蛭田。ちょっとひどすぎないか?蛭田を倒すためにゴルゴ13に依頼した見城は、依頼の時にゴルゴ13に襲いかかって試している。殺気がなかったからいいが、ゴルゴ13のルールだと許されない。命があっただけもうけものだ。M-16も拳銃も使えない状況で徒手空拳での戦いを挑むゴルゴ13。見せ場の格闘シーンが素晴らしい!!

 

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