著者:保阪正康
タイトル:太平洋戦争の失敗 10のポイント
出版社:PHP
発行年:2006/6/22
価格:667円
真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦、国民統制、ガダルカナル戦、山本五十六、アッツ島戦、絶対国防圏、インパール戦、政府の戦争指導体制、日本の政治体制。これら10個のテーマをあげ、日本が太平洋戦争でなぜ敗れたかを論じている。
それぞれ別な時期の別な相手に別なテーマで語られた講演ををまとめたものなので、論じ方の深さが違うなどの一貫性がないのは致し方ない。
太平洋戦争の歴史の風化が進んでいる。しかし、この戦争には現代に通じる日本の諸問題が隠れている。
誰も「やめよう」と言えない体質、実際には存在しない「絶対国防圏」を宣伝したり、誰も責任をとらない政治体制などは、現代にも通じる。この種の本を軍人が書くと個々の戦闘の細かい点ばかり書いているが、本書は政治体制などもっと大きな観点から論じている。
本書のような観点でもっと太平洋戦争を語る機会を増やすべきだと思う。
太平洋戦争や日本の昭和史を学びたい人に★★★★☆