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まんが ホントに知らない映画ドラマ&漫画アニメ&特撮秘密大全DX コアコミックスNo.265

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まんがやアニメやドラマや特撮の裏話をまとめた本。知っていることが多かったが、中には知らないこともあって面白かった。

「何でもアリ?マーベル・コミック カオスな世界」はマーベルコミックスの製作裏話が読めて面白かった。きちんと分業するのはWWEみたいだ。分業するのはアメリカの伝統なのかもしれない。

 

「西崎義展の波動砲人生」も面白かった。アメリカと違い、日本では分業すると利権の奪い合いが発生するのはなぜだろう?  

 

「銃撃・爆破・暴力・破壊…!!!80年代刑事ドラマのあり得ない映像!!」は『太陽にほえろ!』や『西部警察』を久しぶりに思い出した。そういえばああいうドラマは最近無くなった。アメリカでは『24』が製作され日本でも人気があったのでまだまだ需要はあると思うのだが…。  

 

「消えたギャグ漫画家」は一番心に残った。白いワニが現れる江口寿史。『がきデカ』の山上たつひこ。『トイレット博士』のとりいかずよし。『マカロニほうれん荘』の鴨川つばめ。『らんぽう』の内崎まさとし。消えていった後の近況が出ているが、いずれも死んでいないことが唯一の救いだ。最後に『ど根性ガエル』の吉沢やすみが最近のCMの版権で生活が成り立っていると言うのが嬉しいニュースだ。  

 

「時代に葬られた作品の知られざる歴史!!絶版漫画ヒストリー!」も面白かった。最近見ないなぁと思っていた『荒野の少年イサム』が黒人奴隷の描写やイサムが毎回人を撃ち殺すということで再版ならないらしい。黒人奴隷は歴史的事実だから、それをもって再版しないのは臭いものにフタをしろ、の考えだと思う。『ジャングル黒べえ』や『ちびくろさんぼ』を絶版に追い込んだある団体の活動成果だ。石ノ森章太郎の『リュウの道』や藤子・F・不二雄の『オバケのQ太郎』も黒人差別の描写があったからだ。私はず~っとクロネコと思っていたカルピスのマークも黒人で黒人差別的なデザインということでお蔵入りになったらしい。個人的には行き過ぎな気がするが、いくつかの作品が最近復刊できるようになったのは嬉しい限りだ。  

 

「封印されたアニメ!!記憶に残る様々なアニメが封印される理由とは!?」では『巨人の星』の「日本一の日雇い人夫」や最近実写版の放映が始まった『妖怪人間ベム』など有名どころが並ぶ。被差別部落を基にした白土三平の『忍風カムイ外伝』は、「非人」などの放送禁止用語が並ぶため放映できないらしい。それは表面的で作品の本筋を外した議論だと思う。カムイはそういう厳しい環境を打破するために個人の技術を磨く忍者になり、抜け忍になったのだ。時代と環境にへこたれないで強く生きようとするカムイの生き方を描く作品なのに、表面だけとらえて放送禁止にするのは残念でならない。  確かに差別はいけない。しかし歴史的事実や現実にあることを隠して子供を無菌状態にするのはかえってよくないのではないだろうか。差別や犯罪や暴力や非倫理的な行動を推奨するのは問題だが、それらに対抗する勇気や行動を主張するためには、逆説的だが、そういうことを描かないわけにはいかない。問題になる描写があるから封印するのではなく、文脈の中でどう描かれているかで年齢制限を加えればいいと私は思う。  

 

「どっこい生きていた!?消えた漫画家放浪記」  私が少年時代に活躍した漫画家達の近況を知ることができて嬉しかった。『750ライダー』の石井いさみが某宗教団体に入り、思想の変化が『750ライダー』が硬派からラブコメに変わった理由だった。その上その団体の新聞に教祖の劇画を書いていたという。元気に自分の思う作品を書いているのだから幸せだろう。  新谷かおる、みなもと太郎、聖悠紀らが同人誌で活躍しているは、嬉しい。

 

「闇に葬られた作品の黒歴史とは!?復刻されない絶版マンガの裏事情」  妻の好きな『キャンディ・キャンディ』の真相がよくわかった。と同時に「もう和解することは無いだろうな」と思うと残念だ。あの時古本屋で買っておいてよかった。  また最近新版が出た『マスターキートン』が原作者と漫画家の権利関係でもめていたとは知らなかった。ともかく復刻したのは嬉しいことだ。