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北村泰一 『南極越冬隊 タロジロの真実』 小学館文庫 (2007/02/06)

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■北村 泰一 (著)

■南極越冬隊 タロジロの真実 (小学館文庫) [文庫]

■文庫: 344ページ

■出版社: 小学館 (2007/2/6)

■ISBN-10: 4094060049

■ISBN-13: 978-4094060041

■発売日: 2007/2/6

 

 

 2011年秋TBSでドラマ化された『南極大陸』の原案となった本。このドラマは、木村拓也主演だが、裏番組の『家政婦のミタ』に視聴率競争で敗れたことで話題となったが、本書を読むと納得した。

 ドラマは視聴者を泣かそうと意図して、安易に役者を泣かせ、ストーリーを大げさにしているのが、視聴者にもミエミエだったのだ。「男の子は人前で泣くな!」と育てられた当時の男達があんなに簡単に涙を見せるはずないし、弱音を吐くはずないのだ。リアルタイムで越冬隊を知っている人達世代はそっぽを向き、リアルタイムで知らない世代を惹きつけるほどの魅力もなかったのだ。

 本書を読むと、自然の厳しさや生命の神秘さがあり、その中で越冬隊員と犬たちが、精一杯生きていたこと、その中で楽しさを見つけながら生きていたことがよくわかる。あのTVドラマのようなおおげさなミエミエの演出は必要なかったのだ。

 本書はおそらく日記をもとに書き起こしたと思われ、あちこち省略された文体となっている。だがそれが臨場感を増している。

 TVドラマ『南極大陸』にがっかりして見るのをやめた人も、本書の方は読んでもらいたい。