『怪力戦士イヴァノバ』(脚本協力 品川恵比寿) (『ビッグコミック』2024/10/25号)
120ページ
依頼者:ウクライナでロシア軍レオニード隊長に殺された教師マリアの祖父
ターゲット:ウクライナの教師マリアを殺したロシア軍レオニード隊長
依頼金額:100万ドル
殺害場所:ウクライナ
殺害人数・相手:ボルツィン支隊の兵士4人
ウクライナの教師マリアを殺したロシア軍レオニード隊長
H:1人(怪力戦士イヴァノバ)
前編『ビッグコミック』(2024/10/25号)
Part1 激戦地・ウクライナ
2021年2月。ロシアがウクライナに侵攻した。
2年も経過すると西側の支援疲れ、ロシア軍の増強等でウクライナ軍は再び不利な状況に陥っていた。
Part2 怪力女・イヴァノバ
第602話『地図無き悪霊の森』に登場したイヴァノバが再登場した。
ウクライナの学校に大量の物資を運んできた。
彼女が援助している理由は、その学校にいる女性教師マリアがロシア兵に殺された妹に似ているからだ。
そこへレオニード隊長率いるT-90がやって来た。
シェルターに逃れたイヴァノバやマリアや生徒達だったが、T-90の主砲弾の直撃を受けてマリアや数人の生徒が死亡した。
イヴァノバは、マリア達を殺した戦車長を目撃し、絶対許さないと誓うのだった。
泥にはまって動けなくなっていた榴弾砲の移動を、イヴァノバはその怪力で助けた。
バンデラ隊長はイヴァノバを同胞として認めた。
Part3 防風林での攻防
バンデラ隊長やイヴァノバがいる防風林は、塹壕と地下壕で、ロシアの攻勢をしのぎ時間を稼ごうという場所だった。
そこへロシア軍戦車5輛が襲ってきて、バンデラ隊長は腕を撃たれて負傷した。
イヴァノバはジャベリンを3挺担いで、ロシア軍戦車3輛を破壊した。
2輛は急速に後退して逃走した。
そのうち1輛には、マリア達を殺したレオニード隊長が乗っていた。彼はイヴァノバを視認し、ドローンで映像を確認する。
Part4 依頼は娘の敵討ち
ポーランド ワルシャワ市内
ゴルゴ13は、依頼者と会っていた。依頼者は、ウクライナで死んだ教師のマリアの祖父だった。
マリアの動画に写っていたレオニード隊長を殺すことが依頼内容で、100万ドルの現金での依頼だった。
動画にはイヴァノバが写っていた。
ゴルゴ13は彼女が死んだかどうか気にしながら車を運転していた。
[感想]
第602話『地図無き悪霊の森』に登場した怪力女イヴァノバが再登場した。彼女はロシアからウクライナに来ていたのだった。
彼女のキャラクターは魅力的なので、今後どういう展開になるか楽しみだ。
中編『ビッグコミック』(2024/11/10号)
Part1 戦車使いのレオニード
ドネツク州 アブデーフカ
路上の穴に落ちた戦車が動けなくなっていた。
そこへレオニード隊長がやってきて、穴から戦車を出すことに成功した。
彼はかつて60度の崖をショベルカーで降りたことがあるくらい装軌型車両の運転には熟達していたのだ。
Part2 決死の突進
アブデーフカ口外をイヴァノバと負傷したウクライナ兵のバンデラが歩いている。
レオニードの戦車がそこにやってきて二人を攻撃する。
バンデラはイヴァノバの手にキスをすると拳銃でレオニードの戦車に立ち向かい戦死した。
絶体絶命のピンチになったイヴァノバのそばにバイクに乗ったゴルゴ13がやって来て、イヴァノバを後部座席に乗せ、逃走し始めた。
レオニードはゴルゴ13とイヴァノバを追跡する。
二人はロシア軍の地下壕を発見し逃げ込んだ。
レオニードは戦車の後部を持ち上げ、戦車の下方向に砲弾を浴びせ、地下壕を踏み潰した。
他の戦車兵はゴルゴ13とイヴァノバを殺したと判断したが、レオニードは踏み潰した感覚から二人が生きていると断言した。
Part3 感激の再開
ゴルゴ13は、穴がどこまで続いているか確認し武器庫を見つけようと地下壕の奥に進む。イヴァノバは自分を思ってゴルゴ13がやって来てくれたと思い喜んでゴルゴ13の背後からハグする。
ボルツィン支隊長は、ドローンが撮った顔写真から、レオニードが追っている男がゴルゴ13だと気づいた。そしてレオニードにゴルゴ13を葬ることを命じる。
Part4 手持ちの武器は僅(わず)か
地下壕でゴルゴ13とイヴァノバは、バンデラ隊長の部下達と合流した。彼等はアブデーフカを捨ててネタイラブに行くか、アブデーフカで戦うか迷っていた。
ゴルゴ13は、ドローンで見張られていて逃亡が無理であること、明日になったらボルツィン支隊が攻撃してきてウクライナ軍が全滅するだろう、と判断した。
武器は、機関銃、弾丸、グレネードランチャーと数奇のドローンとVR、多少の燃料しかなかった。
ゴルゴ13は、現時点では生き延びることが最優先で、戦況を見定め攻めるときと撤退時期を見きわめ、小部隊で集合離散しつつ、その都度リーダーをさだめ、勝負時には豪胆に動くゲリラ戦を仕掛けることを提案する。
翌朝、レオニードが率いる戦車部隊が、ゴルゴ13の射程外から地下壕に砲撃をしかける。
死を目前にした絶体絶命のピンチの中、イヴァノバにはゴルゴ13との再開の喜びしかなかった・・・。
[感想]
背後に人が立っただけで反射的にチョップを繰り出して失神させるゴルゴ13に背後からハグしたイヴァノバ。まんざらでもない口元のゴルゴ13。このシーンは後々まで語り継がれるだろう。
これまで数々の軍隊とも戦ってきたゴルゴ13だが、今までにないピンチを迎えた。
何も準備なくここまでやって来たのだろうか?それとも何かまだ武器を隠しているのだろうか?
どうやってこの危機的状況を脱するのか、次回が楽しみだ。
後編『ビッグコミック』(2024/11/25号)
Part1 ボルツィン支隊との戦い
ゴルゴ13とイヴァノバは協力してボルツィン支隊の戦車兵を倒し装甲車を奪った。
Part2 電子戦争の威力
ウクライナ軍あドローンでロシア軍戦車3輛以上を破壊した。
ボルツィン支隊長はレオニードにゴルゴを逃がすなと命令する。
ゴルゴ13とイヴァノバをレオニードの戦車が追って来た。二人は装甲車から脱出した。
Part3 鉄の鎧(よろい)と最後の決戦
レオニードのT90戦車がゴルゴ13を追跡する。
イヴァノバは観念し自分が囮になる、と言う。
ゴルゴ13は「イヴァノバは戦友だぞ。動ける限り、互いの能力を限界まで発揮して協力するのが戦友だ。」と言う。
ゴルゴ13はT90のサーマルカメラを破壊した。
その間にイヴァノバは脱出した。
Part4 怪力女イヴァノバ
イヴァノバが怪力に物を言わせてジープを運ぶ。
ゴルゴ13はT90に追われるが伝染をキャタピラに絡ませて進撃を遅らせる。ノモンハンで日本軍戦車がソ連軍の置いたピアノ線に立ち往生させられたことだ。現代の戦車は馬力が5倍以上なので電線に立ち往生させられない。
イヴァノバが手榴弾を投げる。
レオニードがイヴァノバを追う。
ジープに乗ったゴルゴ13が側面下部から重機関銃で射撃する。
T90の主砲が水平より下に打ち込めないことを利用している。
レオニードのT90は重機関銃でゴルゴ13を襲う。ゴルゴ13が乗ったジープを戦車で踏み潰す。
そこには落とし穴が仕掛けてあった!!
T90戦車が45°の形で穴に落ちた。45°だとT90は後退も前進もできず穴から脱出できないのだ!!
そこにイヴァノバがガソリンを投げつけた。戦車兵が脱出を試みたところをイヴァノバが「マリアの敵!!」と叫びながら2人射殺した。
イヴァノバを撃とうとしたレオニードをゴルゴ13が射殺した。
Part5 生き延びた2人
生き延びたイヴァノバとゴルゴ13は抱き合うのだった。
[感想]
戦車と闘うゴルゴ13のアクションシーンが見応えある!
ゴルゴ13に惚れてしまったイヴァノバの乙女の叫びも切ないものがあった。
イヴァノバは、また別な機会に登場しそうな楽しみなキャラクターだ。