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さいとう・たかを『ゴルゴ13』第632話『利他と死』(『ビッグコミック』2023/08/25号, 2023/09/10号)

 

『利他と死』(2023/08作品)(脚本協力 香川まさひと) (『ビッグコミック』2023/08/25号, 2023/09/10号)

 

依頼者:フランス軍事省 副大臣秘書セシル・イオネスコ

ターゲット:フランスの哲学者で『利他と死』の著者 カミュ教授

依頼金額:不明

殺害場所:フィリピン

殺害人数・相手:フランスの哲学者で『利他と死』の著者 カミュ教授

 

フランス パリのシャルル・ド・ゴール空港に一人の男が降り立った。『利他と死』という著作がある、国を代表する哲学者のカミュ教授だ。

彼の所にフランス軍事省副大臣のクリストフ・ガランと秘書のセシル・イオネスコが訪ねてきた。用件は軍事省の倫理委員会に参加してほしいということだった。超人兵士を作る研究をしていいかどうかということを審議するのだ。

 

カミュ教授は二人の真の目的ーつまり、軍に有利な意見を言って欲しいこと、参加者を説得してほしいことーを言い当て、金を受け取り引き受けた。

 

そして会議は4回行われ、倫理委員会は超人兵士を容認した。

 

そしてカミュ教授はフィリピン マニラに飛んだ。腎臓が悪いカミュ教授は非合法な腎臓移植を受けるためだった。

 

一ヶ月後、彼はフランスに戻り講義をしていた。

そこで宿題が出した。

ゴルゴ13のような優秀な殺し屋、スナイパーと利他の関係はどういうものか?というものだった。カミュ教授は、彼の行動原理は何によって生まれ、どんな世界に住んでいるのか?知りたがっていた。一つ言えるのは利己も利他もない世界だということだ。

 

フィリピンで会った女性記者が、カミュ教授を訪ねてきた。そして教授が非合法な移植を受けたことを時と場合によっては告発する、と言った。

カミュは、軍が記者を使って公表するのではないか、と考えると示唆し、女性記者を追い払った。

 

それはカミュ教授の空想ではなく、本当にそうだった。クリストフ・ガランが秘書のセシル・イオネスコに命じ、彼女がゴルゴ13に会った。

 

カミュ教授は再びフィリピンに飛んだ。腎臓提供者に会いたいからだ。しかし臓器斡旋業者の男達は、カミュ教授を殺そうとした。その時、ゴルゴ13が放った銃弾がカミュ教授の眉間を貫いた。

 

カミュ教授の遺体に近づく野犬にゴルゴ13は「食えばいい。」と言って去って行った。

 

哲学的で深い物語だ。