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2008/12に還暦を迎えた谷村新司の短編小説集だ。
たくさんの作詞作曲をしてきた谷村さんらしく、言葉にこだわった小説が多い。
主人公も時代も場所も違う7編の小説が重なり合っている。
とても小さな小さな日常生活が、どこかで何かとつながっているのを感じさせる不思議な短編小説集だ。
文体は、簡潔で歌詞のようで、とても読みやすい。そのつながりが何なのかは、はっきり描かれていないのだが、なぜかそういう人と人のつながりを、全体で感じさせる。
そのつながりは、タイトルの『昴』に代表される星々=宇宙ではないだろうか。星の下で、人々が時代と場所を越えてつながっているような不思議でさわやかな読後感が持てる。
人と人のつながりの不思議さに感動 ★★★★☆