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アリスⅢ

アリスⅢ  ヒット曲に恵まれないアリスがテコ入れ策としてプロの作曲家の作った歌を歌った。アリスが一番苦しかったときのアルバム。1973年12月25日発売。  当時、フォーク歌手は自分で作った歌を自分で歌うのが普通だったのでかなり批判を浴びたらしい。東西冷戦時代だからだろうか、歌謡曲=体制派 フォーク=反体制派という単純な二元論で語られていたのだ。アリスはそんな中、あえて他人の作品に挑んでいった。アリスは常識に挑むという点では、見た目やメッセージの割には意外に過激で、誰もやらないことや初めてのことをさらりとやってのけるのだ。 1.青春時代 ヒット曲に恵まれないアリスが、なかにし礼に作詞、都倉俊一作曲のこの曲を歌い、批判を浴びた曲。だが、この曲があったおかげでアリスがヒット曲作りの何かを学んだことは確かだ。  この曲をラジオで聴いたのがアリスの曲を聴いた最初だった。1976年、森田公一とトップギャランの「青春時代」が流行したが、同じ頃かと思っていたが、アリスの方が3年早かったようだ。 2.愛しはじめて三カ月 岡田冨美子作詞、かまやつひろし作曲。愛し始めて三カ月経って退屈紛れに「別れようか」といったら女性が頷き、裏日本(日本海側のこと:今では死語)の駅で別れるという哀しい恋の歌。冗談でもそういうことは言わない私には永遠に理解不能な歌。 3.涙化粧 松本隆作詞、渋谷毅作曲。泣いた直後に機嫌が直って化粧している姿の描写が、とてもうまく気が変わりやすい女心をうまく描いている。松田聖子をはじめ多くの歌手に詞を書いている松本隆がアリスにも詞を提供していたのは驚きだ。  4.走馬燈 谷村新司作詞、堀内孝雄作曲。アリス初期の曲で私が一番好きな曲だ。昔の沢山の恋を思い出している30歳台(?)の女性の歌。歌詞を聴いていると平家物語諸行無常という言葉を思い出す。日本の伝統美をベースにしている谷村新司の良さが出ている隠れた名曲。 5.雨降りは大好き 谷村新司作詞、矢沢透作曲。キンちゃんとベーヤンのダブルボーカル。雨降りでも楽しいという気持ちが明るい曲によって、よく表現されている。 6.かもめ 谷村新司作詞作曲。浮気性の男に振り回されていながら許してあげたい切ない女心を描いた作品。後の谷村新司ソロの曲につながる曲。 7.星物語 谷村新司作詞、堀内孝雄作曲。ベーヤンのソロボーカル。ベーヤンのボーカルの良さがとてもよくわかる隠れた名曲。 8.突然炎の如く 松本隆作詞、渋谷毅作曲。サビの部分を曲名にしている曲。おそらく他人の歌を歌うことで学んだのだろう。同名の映画があるが、それにインスパイアされたのかどうかずっと気になっているのだが、映画の方はまだ見ていない。 9.地図にない町 なかにし礼作詞、都倉俊一作曲。タイトルを読むと、一体どこだろうか?と疑問を持ち、どうなってしまうのか、続きが気になり、ついつい詞の世界に引き込まれて聴いてしまう。 10.愛は二人で 岡田冨美子作詞、かまやつひろし作曲。「君に恋人がいてもかまわない 君の部屋に忍び込み、君を抱きたい」この曲の歌詞はかなり過激だ。英語だといいが、日本語で聴くと夜這いか犯罪のようでドキッとしてしまう。曲はビートが効いたノリがいい。 11.青春の影 谷村新司作詞作曲。このアルバムは青春時代の苦さ辛さをテーマにしているが、この曲はそのテーマをそのまま歌った曲。