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映画館に『ナポレオン』を見に行った

映画館にリドリー・スコット監督の『ナポレオン』を見に行った。

 

IMAXのアップグレードシートで見た。

寝っ転がって見えるのがいい。

視界全体に画像が拡がって凄い。若干、上の方が歪むが、気にならない程度だ。

 

音も迫力があり、砲撃シーンでは振動が伝わってきて、家では絶対に見たり聴くことができない。絶対に、映画館で見なければダメだ。砲撃シーンや騎馬隊の突撃シーンなどの戦争描写は迫力があってよかった。

 

12月1日公開なのに観客が少なくて驚いた。

 

映画はナポレオンの生涯と6歳年上の妻ジョセフィーヌとの関係を軸に描いたものだ。

 

ナポレオンの一生を歴史年表のように描いた作品だ。よくわかっていないフランス革命やナポレオンについて、勉強になったのだが、年表以上のものがない物足りなさが残った。

 

ジョゼフィーヌとナポレオンの関係を軸に描いているのだが、両者の内面が十分に描かれていない。結局のところ、ナポレオンは彼女抜きにはいられなかったようだが、なぜ彼女なのか、彼女のどういう点なのか、がはっきりとしない。

 

また、ジョゼフィーヌの息子と思われる少年が登場し、ジョゼフィーヌとナポレオンをつなぐ重要な役割を果たすのだが、その後彼がどうなったのかわからない。

 

マリ・ルイーズとの間に男子が生まれるが、この子がその後どうなったかは映画には描かれていない。Wikipediaによるとナポレオン二世になったようだが、待望の男子の誕生を描いているのだから、その後についても描いてほしかった。ヨーロッパの人ならそんなことは常識で描く必要がなかったのかもしれないが・・・。

 

それぞれの戦いの背景もよく伝わってこない。

敵将のオーストリア皇帝フランツ1世やロシア皇帝アレクサンドル1世やイギリスのウェリントンらの人間性の描き方も不十分だった。

 

ナポレオンと妻達との関係、ナポレオンと家族の関係、ナポレオンの果てしない欲望、ナポレオンと戦争などが描かれているが、絞りきっていないので、どれも中途半端な印象の映画だった。

 

テーマを一つか二つに絞って、深く掘り下げたらずっとよかった、というのが私の感想だ。

 

◆ストーリー

1789年、フランス革命が勃発し、ルイ16世マリー・アントワネットがギロチンにかけられ処刑される。

1793年、トゥーロンの戦いで勝利し、ナポレオンが出世のきっかけをつかむ。

1794年、ロベスピエールが自決に失敗し、処刑される。

1795年、王党派の蜂起(ヴァンデミエールの蜂起)があり、国民公会軍司令官ポール・バラスがナポレオンを副官(実質的にはナポレオンが最高指揮官)にした。ナポレオンは王党派の市民達に大砲で砲撃し鎮圧した。

1796年、ナポレオンはジョセフィーヌと結婚する。

1798年、ナポレオンはエジプトに遠征する。ナポレオンはフランスに戻り、クーデターを起こし、統領政府の第一統領になる。映画の中では、ジョセフィーヌの浮気を知ったナポレオンが敵前逃亡にも見える形でフランスに戻ったと描かれている。

1804年、ナポレオンが皇帝になる。ダヴィッドの絵『ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠』そのもののような美しい映像だった。

1805年、アウステルリッツの戦いで、ナポレオン軍が快勝する。オーストリアのフランツ1世、ロシアのアレクサンドル1世の軍は敗北する。

1809年、皇后ジョゼフィーヌを後嗣を生めないと言う理由で離婚する。

1810年オーストリア皇女マリ・ルイーズと再婚する。

1811年、マリ・ルイーズとの間に待望の男子が誕生する。

    映画の中では、再婚後もナポレオンはジョゼフィーヌに一番心を開いており、しばしばジョゼフィーヌの居館を訪れており、男子もジョゼフィーヌに見せに行っている。

1812年、ナポレオン軍がロシアに攻め込むが、敗北する。

    映画の中では、遠征中も何度もジョゼフィーヌに手紙を書いて送っている。

1814年、ナポレオンがエルバ島に流される。

    ジョゼフィーヌチフスになって死去する。

    映画の中ではナポレオンに彼女の死は伝えられなかった。

1815年、ワーテルローの戦いでナポレオンは敗れ、セントヘレナ島へ流される。