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第一章 始末記
始末記
幕府が日置藩の騒動に対し双方江戸に出て説明しろ、と命じた。領主、橘軍太夫、木の間党首領(草加竜之進)は、江戸に向かう。
江戸では渡し舟が沈み武士が犠牲になった。
日置藩上屋敷に松林剣風、水無月右近とアテナが忍び込んだ。池の亀が皆死んでいた。そこに堂面六佐が現れた。剣風と堂面が対決する。堂面が剣風の太刀を持つ親指を切断しようとした刹那、剣風は太刀を投げてかわした。
そこに江戸家老の宝監物が現れ、剣風や水無月右近やアテナが自分の客人と告げる。
宝監物に笹一角の行方をきいた水無月右近達。宝監物は、笹一角は知らないが草加竜之進と名乗った男は公儀の知るところとなり日置藩の手元にいないと話した。そして宝監物の嫡子が渡し舟の転覆で死んだと話す。伊那流水術の熟達者なので溺死はおかしい、と疑う宝監物。
松平伊豆守の屋敷内の牢で笹一角と草加竜之進が再会した。笹一角は草加竜之進に、「おぬしは一角として生き一角として死なねばならなくなったのだ。」と言う。
幕府による日置藩に対する裁判が始まった。橘軍太夫は目付職を解き自宅謹慎が申し渡された。橘玄蕃と一馬は呼び出しに応じず逐電したので発見次第処分することになった。
翌日、宝監物が領主を病死と届けて養子跡目相続した件について、領主が草加竜之進(笹一角)により殺されたことが複数の証言から裏付けられた。宝監物は既に腹を切っていた。苦しむ監物を堂面が介錯する。そして養子跡目相続は無効となった。
三日後、裁断が下った。
裁断は次のとおりだった。
日置藩は領地没収
家老 三角十太夫、江戸家老 宝監物、側用人 丸目外記、切腹、家禄没収、断絶、男子死罪
郡奉行 石坂八太夫、勘定奉行 長島権三郎、お蔵方 馬場平八郎、追放
大目付 橘軍太夫 三宅島へ流罪
橘一馬、橘玄蕃、大蔵屋 発見次第入牢の上処分
草加竜之進(笹一角)、死罪
笹一角(草加竜之進)、望月家お預け
領主の重成は領地召し上げ、信濃国上田に預け合力として一万俵を賜う。日置城と領地は次の城主決定まで天領とする。
草加竜之進と名乗った笹一角は「日置藩七万石が拙者ひとりに破れもうしたか」と笑い多数の武士に槍で刺されて死んだ。
日置藩旧領主は松平伊豆守の屋敷で「約束通りつとめを果たしました」と言い褒美と音丸をもらう。ほとぼりがさめるまで信濃国にいるように、と言われる。
日置藩が持っていた秘密文書を焼き捨てる松平伊豆守。そして忍びに後の始末を指令する。
抜忍のカムイと手風殺害指令が全国津々浦々に飛ぶ。
日置藩に戻った橘軍太夫は他の武士達に囲まれ介錯する者もなく悶死する。
信濃国上田で釣りをする旧日置藩藩主。だが舟が転覆し音丸も死んだ。実は下男のサブに化けた写し身の吉次の仕業だった。
手風と本物の音丸はそれを見てどこかに消えた。
大森の海苔養殖場にダンズリとナナがいた。正助とゴンはアグリの銅山に玉手の徳次を訪ねて行った。しかし彼は死んでいた。そこは不出の山だった。
[感想]
重成を使って日置藩の秘密を探った江戸幕府はとうとう日置藩を取り潰した。そして日置藩の秘密を知る者を一人残さず殺してゆく。これで物語が終わるかと思ったら正助とゴンがアグリの銅山で捕まってしまった。
この後物語はどう展開刷るのだろうか?
第二章 山ヌケ
山ヌケ
正助とゴンとクズレ一揆のリーダーはアグリの銅山からの脱出を考える。厳しい監視の目から逃れるためには慎重に進めないといけない。
その銅山には変装したカムイもいた。カムイの背後には追忍の気配がしていた。
落盤事故が発生し多数の労働者を生き埋めにしたため、労働者達は労働を拒否し座り込みを始めた。
管理者たちは一人一人殺してゆくが労働者達は座り込みをやめない。
とうとう正助が斬り殺される順番が回ってきた。
[感想]
日置藩が取り潰しにあい、橘軍太夫が笹一角が死に重要な登場人物が舞台を去った。カムイが登場し、正助達は今まで以上に厳しい銅山に入った。正助は絶体絶命の状況で、カムイも追忍がいるようなので動けない。この後物語がどうなるのか楽しみだ。
第三章 屍(かばね)移し
屍移し
正助が斬られそうになったときゴンやクズレが立ち上がる。老人も。その他全員が立ち上がり気圧された武士は一晩よく考えろ、といって引き退がる。
密告者が明らかになり私刑される。
武士たちは労働者達の食事を絶つ。
カムイは屍(かばね)移しの術を使って正助の逃亡を助ける。それを追忍に見抜かれカムイは追忍と戦う。
クズレ
労働者達はもう三日も食べていない。銅山の労働者達は血気にはやっている。ゴンは止めようとする。クズレも理解し自分がキリシタンであることを話し皆を落ち着かせる。
そして十字架を使って犬をおびき寄せ殺す。
さらに脱走の手紙で目付をおびき寄せ捕まえ左腕を切り落とす。
日の市(赤目)は夢屋七兵衛の舟に乗り込む。アグリの銅山が表向きは銅山だが実際は銀を採っていると話す。そしてそこで労働者達がどんな状況かも話し山の買収を持ちかけるが、夢屋七兵衛は丹波屋の五割増しは必要だと答える。そのくらいの金はあるはずだと言う赤目に、夢屋は商売は小さくかけて大きくとるものだ、と答える。赤目は自分の方法でやる、と言って海に飛び込んだ。
[感想]
正助はカムイのおかげで助かり銅山の外に出た。彼は誰を連れてくるのだろう。そしてそれは間に合うのか?赤目はどうしようとしているのか?新たな展開が楽しみだ。
第四章 山盗(と)り〔一〕
山盗り
正助は近くの村の人たちに立ち上がるよう説得するがダメだった。左平次とその妹の妙が正助の道案内をする。左平次は密告者を見つけ殺す。
正助は大森海岸のみんなの所に行き状況を話す。最初は皆日置藩に帰りたがっていたが、弥助の説得で夙谷の者たちが立ち上がる。
カムイは追忍たちに追われ日の市(赤目)とすれ違った。赤目は知らぬ間にカムイを追う忍者たちの結界に足を踏み入れてしまった。彼は日の市になりきった。忍者たちに右手を切断されてしまった。
[感想]
正助の説得で人々が、立ち上がる。間に合うのか?赤目やカムイの運命は?続きが気になる。
第五章 山盗(と)り〔二〕
山盗り
武士たちとストライキをしている労働者達のにらみ合いは双方ともに焦っていた。ゴンは、いきり立っている皆を必死に抑えているが、クズレはもう待てないと言う。
とうとうクズレは人質の目付を先頭に戦いに入った。クズレは大暴れしたが多数の銃弾を受け倒れた。ゴンも背中に矢を受け銃弾を受け屋根から転げ落ちた。
そして銅山の一部が爆発した!
養殖場では、帰国のために夢屋七兵衛の舟を待つ日置領の人達。アケミが五郎が正助を追う。それに付き従う多くの人達。
アグリの銅山近くでは銅山から逃げてきた人達から状況を聞いた左平次達が立ち上がる。★
左平次達地元の百姓、日置領の百姓、銅山の労働者達が立ち上がった!
一揆は成功した!不正山役人、山師丹波屋、山目付、見回り役は処分された。クズレは死にゴンは着物の一部があったが行方不明だった。
そして夢屋七兵衛が銅山を得た!
[感想]
日置藩の秘密が暴かれ、秘密を知る者は次々と殺されていく。カムイと手風と音丸だったくノ一は逃亡を続けている。
赤目は運が悪かった。
夢屋七兵衛は一番得をした。
次巻も楽しみだ。