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第一章 第三の領主
山の怪異
山では山丈が現れた。
アテナを失い生きる気力を無くした水無月右近を吹き飛ばす。
第三の領主
夙谷の非人たちが訓練に明け暮れる。望月領から脱出した一揆落ちの三人、武助と宗兵衛と仁助を追って望月領の非人頭が横目の所に来た。横目は首を吊った死体を見せる。望月領の非人頭が宗兵衛と確認する。
横目達に囮の女どもを追わせて、ゴンやスダレ(苔丸)や正助は舟で会って会合する。
イタミ屋の後ろにはなんと夢屋七兵衛がいた!!夢屋の番頭日の市(赤目)は夢屋七兵衛を裏切り正助達にそのことを知らせて自らの正体も明かした。
号(さけ)び
幕府勘定奉行名代の新見分役輪島修理とその一行はイタミ屋の供応を受けていた。錦丹波は女も賭事も嫌いだが刀剣には興味があり、備前長船を手に入れる。
正助達が村受け新田開発の件を錦丹波に問う。錦丹波はいずれ、とい答える。正助はスズメ取りを領内一斉実施する件の許可を得る。横目は止めようとしたが非人は口をはさむな、と止められる。
見分する錦丹波一行だったが、錦丹波の乗馬、春日や愛犬の影清は何かに怯える。
スズメ取りが始まった。
[感想]
山丈が久しぶりに登場した。彼は水無月右近を吹き飛ばした。生きる気力のないものには興味がないのだろう。
イタミ屋の黒幕が夢屋七兵衛であり、赤目が夢屋七兵衛を裏切ったとは予想外の展開だ。
タイトルの「第三の領主」の意味は何だろう?
正助やスダレたちはスズメ取りを利用して何かを始めようとしている。何が始まるのか楽しみだ。
第二章 号(さけ)び〔一〕
号(さけ)び
見分が始まった。予想通り、不当に短い竿で計測する。賄賂を渡す百姓もいる。
スズメ取りが始まった。
スズメ取りと呼応して沢山の百姓らが集結した。そしてスダレたちが庄屋三太夫宅を襲う。
スダレたちが霧の中から代官の錦丹波の前に現れ、見分の中止、町人請負の取り止めと村受け新田の実施、綿、繭の自由売買、独占商人の永久追放など二十か条の要求を突きつける。
錦丹波は勘定奉行名代の新見分役輪島修理に見分中止を申し出るが相手にされない。
そしてとうとう日置領内の百姓達が立ち上がった!
山丈がそれを見て「カムイ」と大声で何度も叫ぶ!
[感想]
この章のラストシーンで一揆を起こす人々とそれを見てカムイと叫ぶ山丈の姿は圧巻た。
白土三平はこの絵のためにこの作品を描いたと思う。
第三章 号(さけ)び〔二〕
号(さけ)び
百姓達と武士達の激しい戦いだ。
武士達が百姓達を包囲したと思ったら逆に包囲された!
松林剣風たちも百姓達に味方する。
狂人の小六は馬に逆さまに乗り、「我こそ神の使者」と叫んで武士達に突入する。
日置、望月の全領を一揆が襲う。
ゴンからの合図を受け、スダレと正助が何かを始めようと合図を送る。正助を殺そうと手裏剣を投げようとした横目をキギスが襲う。
幕府勘定奉行名代輪島修理は百姓達に突撃するが馬が殺され落馬する。錦丹波が助けるが百姓達に囲まれて命が危ない。
百姓代表の正助が要求を突きつける。輪島修理は震えながら要求を受け入れた。
錦丹波は地下牢の笹一角(草加竜之進)のもとに行き、切腹しようとした。赤目が錦丹波を気絶させて生かしておく。
[感想]
日置藩と望月藩の一揆は、正助達の見事な采配によって成功した。普通ならここでめでたしめでたしで終わるのだろうがこの後どうなるのだろうか?
次巻も楽しみだ。