『ギザの醜聞(スキャンダル)』(2009/07作品)(脚本協力 原田学)
依頼者:イギリス エジプト調査会会長 エリオット・ウェザー
ターゲット:ディアム大学准教授マーチン・ウェザー
発掘作業員責任者 ムスタファ
九竜のねつ造集団 6名
ムスタファが乗るヘリのパイロット
依頼金額:不明
狙撃場所:香港九竜地区
エジプト ギザ クフ王ピラミッド近く
殺害人数:9人
イギリスの考古学一族のウェザー家。その若い准教授マーチン・ウェザーがエジプトで世紀の発見、をテレビ中継するはずだったが、発見したのは、第二次世界大戦の時のスピットファイア戦闘機だった。
マーチンの信用、ウェザー家の信用は地に堕ちた。
マーチンは発掘作業員責任者のムスタファにそそのかされ、ピラミッド最頂部であるキャップストーンをねつ造し名声を取り戻そうとする。
そのたくらみを知った祖父のエリオット・ウェザーは、関係者全員が秘密を守れるか、特に孫のマーチンが口を割ってしまわないか、心配する。
そして、ゴルゴ13と会い、関係者の抹殺とねつ造されたキャップストーンの破壊を依頼する。
ゴルゴ13が香港九竜地区の古物商を襲い、コマの中の絵では、6名を射殺する。
ゴルゴ13はピラミッドのことは何でも知っているじいさんの所に行き、秘密の通路を教わり、任務遂行のために潜む。
キャップストーンを吊り下げたロープを狙撃し、ムスタファが乗るヘリごとキャップストーンを破壊する。
それを見たマーチンが「あ、あれだけ金をかけて作ったのに・・・」とつぶやいた。
それを聞いたエリオット・ウェザーは、サングラスをかけた。
これがゴルゴ13にマーチン狙撃を依頼したメッセージだった。
マーチンは胸を撃たれて、エリオットと最期の会話を交わして、死亡した。
狙撃が終わってじいさんの所に戻ったゴルゴ13に「あんた”あれ”を見たじゃろう?あれが世界中の学者どもが知りたがっている大ピラミッドの謎の答じゃよ」とじいさんが語る。
ゴルゴ13はいつものように「俺には関係ないことだ・・・・」と答えるのだった。
エリオットは全てを処理して拳銃自殺した・・・
自らの手で孫を殺さなければ行けなかった祖父・・・。なんとも切ないストーリーだ。
個人的には、ゴルゴ13が見た大ピラミッドの謎の答が、知りたい!!
『誰がそれをなし得たのか』(2009/03作品)(脚本協力 綾羅木恭一郎)
依頼者:国家警察長官
ターゲット:麻薬工場の殲滅とマフィアのボス ドン・バリアスの暗殺
20人以上
依頼金額:不明
殺害人数:21人
日本土木工学会の杉原会長のもとにジャーナリストの深沢が訪ねてきた。
深沢は土木工事を率いるリーダーの名前が残るように働きかけている人物だ。
深沢は『大地動く時』『死を呼ぶ汽笛』『至近狙撃』にも登場した、日本が舞台の時に、登場する重要な脇役のジャーナリストだ。
杉原会長がフィリピンのオエステ島を訪れたとき、島の上流で河道閉塞が発生していた。そのままにしておくと下流の村が危ない状況だった。
楔岩に爆薬を仕掛け、起爆させて川の流れを変え、危機を救おうとする。
しかし起爆させる方法がない。
その時、上流にある麻薬工場を殲滅しボスやその手下との戦いを制したゴルゴ13がやってきた。麻薬工場では20人の遺体が確認できる。彼が狙撃して爆薬を爆破し、村は救われた。
杉原会長のインタビューの不自然な点から、深沢が会長を問いただす。
杉原会長はアメリカ大使館付き武官のマッケンジーから、ゴルゴ13に関する新情報を得ていないか深沢に探りを入れるよう頼まれていたのだ。
『死への階(きざはし)』(2009/08作品)(脚本協力 ながいみちのり)
依頼者:ゼウスのかつての相棒
ターゲット:ギリシャ人マフィアのボス ゼウス
依頼金額:不明
狙撃場所:シシリー島 パッセーロ岬地方
ターゲット:依頼者
殺害人数:2人
シシリー島のマフィアのボス ゼウスの元に、かつての相棒から「ゴルゴ13を雇った」という手紙が届く。ゴルゴ13に狙われて助からないことを悟ったゼウスは自分の死を有効に使うことを考える。
ゼウスの有力な部下は3人いた。ニキとヨアニス、そして、ニコラオスだ。
ニキとヨアニスは犬猿の仲だが、年老いたゼウスを出し抜き二人が手を組むことにした。
ゼウスはそれを知り、急遽、パーティーを開催し、二人を始末する。
そして、次のボスがニコラオスだと宣言し、ゴルゴ13に眉間を撃たれて殺される。
ゴルゴ13の情報屋が、ニコラオスがゼウスのかつての相棒の息子だという情報をゴルゴ13に伝えるが、彼は無関心だ。
ゼウスのかつての相棒は、ゼウスに送った手紙をゴルゴ13に見せ、射殺される。
伏線が最後に綺麗にまとまる巧妙なストーリーの短編佳作だ。