『1万キロの狙撃』(2012/02作品)(脚本協力 横溝邦彦)
依頼者:不明
ターゲット:リビアの独裁者カッダーフ大佐
依頼金額:不明
狙撃場所:リビア
依頼者:なし
依頼金額:なし
狙撃場所:アメリカ カリフォルニアのリゾート地
殺害人数:5人
リビアの独裁者カッダーフ大佐を米軍の無人攻撃機が攻撃し、リビアの反政府軍によって捕らえられた彼は死んだ。彼は反乱軍によって殺されたことになっているが、本当は直前にゴルゴ13による狙撃で死んでいた。
三男のアルファジリを追っていた無人攻撃機が誤爆した相手がゴルゴ13だった。ゴルゴ13の腹部を鉄パイプが貫通していた。ゴルゴ13はトラックを奪いパリにいる情報屋のシモンに連絡し、チュニジア在住の救急医療の経験豊富な外科医と医療用の最新機器レオナルドを探させる。
無人攻撃機隊の指揮官ジーター少佐は妻ジェーシーと娘セレナをゴルゴ13に殺され恨みを持っていた。そのためこの機会を逃さずゴルゴ13を殺そうとする。2001年春、ジーターの無人攻撃機部隊は、オサマ・ビンラディンを狙える状況だった。そのとき、オサマ・ビンラディンをゴルゴ13が狙っているという情報が入り、ジーターにはビンラディン攻撃を待つよう命令が下ったが、ゴルゴ13も理由不明ながらビンラディン狙撃をしなかった。そして9・11が発生し、ジーターの妻と娘が乗る旅客機がツインタワーに突っ込んだ。「あの時ビンラディンを攻撃していたら」というジーターの思いは、攻撃を止めた上層部ではなくゴルゴ13に向かったのだ。
トンネル内で、別れた息子と月に1回だけ会う約束の女が運転する車を奪ったゴルゴ13。
何とかチュニスにたどり着いたゴルゴ13だが、レオナルドによる手術を依頼したコロラド在住の外科医トニーは身柄を確保されてしまった。レオナルドも破壊されてしまった。
ゴルゴ13は地下に逃げ、部品をまとめてレオナルドを組み上げ、自分で自分を手術していた。
イタリアのサルディーニャ島から改造したレオナルドを使って、カリフォルニアのリゾート地にいるジーター少佐とその部下達を射殺したのだった。
ゴルゴ13とともにチュニスまで連れて行かれた女マラワンは、息子ナジーブの親権を手に入れ家まで入手できた。ゴルゴ13の恩返しなのだ。
取材協力として、日本医科大学千葉北総病院 救命救急センターの松本尚、原義明両名の名前がクレジットされている。
生きのびることに執着し、あらゆる可能性を追求するゴルゴ13の執念を描いた作品だ。
ネットワーク越しの無人攻撃機による攻撃の恐ろしさも描いている。
『流星雨の彼方で』(2012/01作品)(脚本協力 充庵)
依頼者:NASA担当官 S・マーフィ
ターゲット:キラー衛星チェルノボクの液体酸素タンク
依頼金額:不明
狙撃場所:上空400kmの宇宙空間
殺害人数:0人
宇宙航空研究開発機構(JAXA)のHTVプロジェクトチーム設計主任田中浩司と四菱重工宇宙開発研究室長 飯田進とNASAの研究員ポール・スペイシーは大学の同期だった。
ある日、ポールは、スペース・デブリとしてソ連のキラー衛星チェルノボクを発見した。
ポールは、ルーシー・イーストンによって毒を盛られて殺された。発覚を恐れた彼女は車に轢かれて死んだ。彼女は実は中国のスパイだったのだ。そのキラー衛星を動かすパスワードを彼女はイラクに渡していた。
H2-Bロケットで宇宙に向かい、キラー衛星チェルノボクの酸素タンクを撃ち抜くのが今回のゴルゴ13の任務だ。
無事、チェルノボク狙撃に成功したゴルゴ13だが、帰路で、そのチェルノボクの破片によって、地球に帰還できない可能性が出てきた。ゴルゴ13は、自らの手で、液体酸素配管を破壊し軌道を変えて帰還した。
ゴルゴ13が、狙撃という目的のために、あらゆる道具を使用しきる、という徹底した考え方をしていた。仕事や夢に対するゴルゴ13の哲学が凝縮した話だ。