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さいとう・たかを『ゴルゴ13 5 帰ってきた標的(ターゲット)』(リイド社)(1974/02/14)

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====もくじ====

 

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第32話『帰ってきた標的(ターゲット)』(1970/08作品)

脚本協力:宮崎淳

ページ数:86ページ

依頼者:バグシー"ビッグ"ガホールの部下ロッキー・ブラウン

ターゲット:アメリカ密輸組織の帝王 バグシー"ビッグ"ガホール

依頼金額:50000ドル

狙撃場所:

 1)ニューヨーク市郊外イーストニューヨーク

 2)香港の船の上

 3)香港のガホールの隠れ家

殺害人数:7人

殺害相手:

 1)FBI捜査官2名(記事中では6人の死傷者だがコマ中では2人)

  バグシー"ビッグ"ガホールの部下ロッキー・ブラウン

 2)引き屋の角(正体は香港の毒蜘蛛仔黒龍)

  仔の相棒

 3)ロッキー・ブラウンの手下2人

  バグシー"ビッグ"ガホールの部下ロッキー・ブラウン

  バグシー"ビッグ"ガホールの影武者スパイク・ジョーダン

H:1人(香港の娼婦)

 

 アメリカフロリダ州マイアミビーチでアメリカ密輸組織の帝王 バグシー"ビッグ"ガホールの部下ロッキー・ブラウンから、ガホール殺害を依頼されるゴルゴ13。

 ガホールが組織を裏切りFBIと取引しているのが殺害理由だ。

 

Part1 バグシイ邸

Part2 花火の用意を

Part3 ATTACK!!

 ニューヨーク市郊外イーストニューヨークで屋敷を出たガホールをゴルゴ13が射殺した。

 

Part4 サンフランシスコ経由香港行

Part5 九竜(クーロン)の夜

 香港に飛んだゴルゴ13は女が男を射殺する現場を目撃する。

 ゴルゴ13は警官に嘘の証言をして女を守る。

 

Part6 依頼者からの迎え

 そこへ二人の男が現れゴルゴ13をボスの所に連れて行く。

 

Part7 依頼者の顔

Part8 不死身のバクシイ

 彼らのボスはなんと、殺したはずのバグシー"ビッグ"ガホールだった。

 スパイク・ジョーダンというチンピラを整形手術してゴルゴ13に射殺させたのだという。

 そして彼はロッキー・ブラウン射殺を依頼するがゴルゴ13は「おれは一度にふたりの依頼人はもたないことにさている」と言って断る。

 

 ガホールは香港の”毒蜘蛛”仔黒龍(チャイバイロン)にゴルゴ13暗殺を依頼する。

 

Part9 つけられて街を

Part10 再会

 ゴルゴ13は香港の街を歩いている時、ポン引きの男についていく。

 その男が斡旋した女は、男を射殺したあの女だった。

 

Part11 撃ったのは3発

Part12 香港の毒蜘蛛

 ゴルゴ13が女を抱いている時にポン引きの男が襲ってきたがゴルゴ13が返り討ちにした。

 

Part13 挑戦

 そして岸に寄せて仔の相棒も射殺する。

 

Part14 つもり・・・

 香港の路上でロッキー・ブラウンの車がパンクし手下2人が射殺された!

 そして、ロッキー・ブラウンがガホールが偽物であることを知っていてゴルゴ13に撃たせたことを確信した。

 

Part15 バグシイの正体

 ロッキー・ブラウンはガホールの所に行った。そこでガホールとスパイク・ジョーダンが入れ替わったことを知った!

 

Part16 巴旦杏(アーモンド)の匂いの

Part17 美しい香港

 ゴルゴ13が青酸ガスを使って窓を開けさせロッキー・ブラウンとスパイク・ジョーダンを殺した!!

 

【感想】

 誰が本物なのか、誰が敵で誰が味方か正体がわからない展開が素晴らしい作品だ。

 ゴルゴ13の驚いた顔が印象に残る作品だ。

 

第16話『殺意の交差』(1969/10作品)

 

脚本協力:小池一雄

43ページ

依頼者:1)ボウリング場総支配人ジョナサン・アープ 2)車椅子の男(ABCレジャーコンツェルン会長アルバー)

ターゲット:1)ABCレジャーコンツェルン社長 ブラウン

依頼金額:

 1)3000ドルあとで1000ドル追加し合計4000ドル

 2)20000ドル

狙撃場所:

 1)上空

殺害人数:1人

殺害相手:

 1)ABCレジャーコンツェルン社長 ブラウン

H:0人

 

Part1 近づいてきた男

Part2 見知らぬ人でなく

 ジムでトレーニングするゴルゴ13にジョナサン・アープという小男が近づいてきた。

 彼は3000ドルで引き金を引いてくれ、と依頼する。

 

Part3 依頼主A

 車椅子の男が「ジョナサン・アープが食いついてきたか?」ときく。

 うなずくゴルゴ13に男は20000ドルの報酬を振り込んだことを伝えて去っていった。

 

Part4 依頼主B

 ジョナサン・アープは元プロボウラーで今はボウリング場の総支配人だった。

 アープはチャックという男に怒鳴って減給を伝える。

 

Part5 的はひとつ

 アープはボスであるABCレジャーコンツェルン社長ブラウンを空で射殺する計画をゴルゴ13に伝える。

 ゴルゴ13が3000ドルでは安すぎると言うとあと1000ドル追加した。

 

Part6 ボールをのせて・・・

 チャックはアープのボールに時限爆弾を仕掛けていた。

 

Part7 銃と爆弾

Part8 狙撃

 アープが操縦する飛行機から、ブラウンを射殺したゴルゴ13。

 

Part9 おまえは奴隷

 着陸した二人を待っていたのはアルバー会長だった。

 ゴルゴ13が去ったあとアルバーとアープが話している時にチャックの爆弾が爆発した!

「おれには関係のない何かがもうひとつ・・・起こっていたらしいな・・・」とゴルゴ13は心の中でつぶやくのだった。

 

【感想】

 時限爆弾と一緒に車に乗っていたゴルゴ13。「おれには関係のない何かがもうひとつ・・・起こっていたらしいな・・・」などとのんきなことを言っている場合ではない。爆発のタイミングがもっと早かったら、自分が殺されていたのだ。

 また、任務遂行のためとはいえ、ふたりの依頼主から同一人物の射殺依頼を受けたのは後のゴルゴ13らしくない。この頃のゴルゴ13はまだまだ若かったということだろう。

 

第18話『白の死線(デッドライン)』(1969/11作品)

脚本協力:宮崎淳

43ページ

依頼者:KGB

ターゲット:生物化学兵器開発者オルグ・セルナク博士

依頼金額:50000ドル

狙撃場所:スイスーイタリア国境付近の山中

 スイス バーゼル

殺害人数・相手:4人 生物化学兵器開発者オルグ・セルナク博士

 工作員らしき男2人

 KGB工作員の女

H:2人 KGBの女工作員 山小屋にいた女

 

Part1 その①追われる者

 スイスーイタリア国境ペニン・アルプスの西端、マウント・グランコンバンから山越えで国境を突破しようとしたゴルゴ13だが、追っ手が犬を連れてきているのを知る。

 

Part2 夜の依頼主

 ゴルゴ13はKGBの女との情事を思い出す。

その時50000ドルで生物化学兵器開発者のオルグ・セルナク博士暗殺を依頼されたのだ。

 

Part3 追われる者 その②

 ゴルゴ13はかんじきを出して雪山の逃避行だ。

 

Part4 直下の狙撃

 ゴルゴ13はスキーで滑走しながらセルナク博士を射殺し逃走した。

 

Part5 はやく帰って・・・

Part6 逃走

 ゴルゴ13は工作員らしき男たちに囲まれたことを知りホテルから逃走する。その時工作員2名を射殺する。

 

Part7 小屋にいた女

 ようやく山小屋に着いたゴルゴ13だが山小屋には女が一人いた。

 

Part8 女はどうして

 イヌの声を聞いたゴルゴ13は外に出て行く。女はスキーを履いてついて来る。

 

Part9 野宿(ビバーク)

Part10 36時間経過

Part11 生きるための抱擁

 二人は野宿し凍死しないよう抱き合う。

 

Part12 弾痕にさようなら

 スイス バーゼルの車の中にKGBの女がいる。彼女に部下がゴルゴ13が遭難し相手方も捜索を打ち切ったと報告する。

 「それで完全ね!」と答える女。

 だが彼女はゴルゴ13が乗った車を見つけた!

 そして彼女は座席から崩れ落ちた。後席の窓には弾痕があり、走り去る一台の車が見える。

 

【感想】

 装備もなく雪山に入るゴルゴ13。脱出経路を確保していなかったゴルゴ13のミスといっても過言ではない。

 『新作江戸艶笑小咄』がP.161にあるのは何でだろう?

  SPコミックスコンパクト第4巻p.77では大きな空白になっている。

 

 

第17話『スタジアムに血を流して』(1969/11作品)

脚本協力:森幸太郎

43ページ

依頼者:なし

ターゲット:なし

依頼金額:なし

狙撃場所:アメリカ オハイオ州レークウッド

殺害人数・相手:6人

殺害相手:アンジェラ

 アンジェラの弟デイビッド・クルーガー

 ニコラス・メランギの部下3人

 シンジケートの大物ニコラス・メランギ

H:1人(アンジェラ)

 

Part1 ニコラス・メランギ

 ニックと呼ばれる男(ニコラス・メランギ)がアンジェラという女と抱き合っている。

だがニックはアンジェラの弟デイビッドの射撃の腕を犯罪に活かそうとしている。

 

Part2 夕日のエリー湖畔

 ゴルゴ13がエリー湖畔にセスナ機から降りてオハイオ州レークウッドに向かう。

 

Part3 アンジェラという女 その①

Part4 アンジェラという女 その②

 オハイオ州レークウッドのホテルの一室に入ったゴルゴ13はアンジェラに気づき「それじゃあうめないな」と言って部屋中調べて遠隔操作カメラを破壊する。

 アンジェラがいるのにゴルゴ13はシャワーを浴びる。

 その間にアンジェラはゴルゴ13の葉巻に何か薬物を注射する。

 

Part5 タバコを床に落として

 シャワーから上がったゴルゴ13にアンジェラはニコラス・メランギ殺しを依頼し二人は情事に及ぶ。

 情事の後、葉巻を取ったアンジェラに、「上着のどのポケットにタバコが入っているか知っていた手つきだった。」と言って「そんなシーン(ゴルゴ13がアンジェラの前でタバコを吸ったシーン)はなかったんだ・・・」と言ってアンジェラを殺す。

 

Part6 ゴールデンボーイ

 ジョンストン・カレッジでデイビッドが射撃練習で全弾命中させる。

 

Part7 拝復

 ニコラス・メランギの屋敷にトランクが運び込まれた。恐る恐る中を開けるとアンジェラの遺体があった。

 

Part8 生きた標的(ターゲット) その①

 ニコラス・メランギはデイビッド・クルーガーを呼び出し姉の敵討ちそそのかす。

 

Part9 生きた標的(ターゲット) その②

 ニコラス・メランギを照準器から狙うゴルゴ13だが、防弾ガラス付きの車でボディガードに挟まれたニコラス・メランギを射殺できないと悟った。その時、背後から左袖のボタンを撃ち抜かれたゴルゴ13。

 逆光でゴルゴ13の背後をとってゴルゴ13の袖のボタンを撃ったのはデイビッドだった。

デイビッドは時間と場所を改めて決着をつけることにした。

 

Part10 スタジアムで・・・

Part11 スタジアムに・・・

 スタジアムでの対決だ。

 デイビッドはゴルゴ13の右腕を撃った!

 しかしゴルゴ13は左手でM16を持ち替えて、デイビッドを射殺した!

 銃を撃った後、銃口を天に向けるデイビッドのクセを見逃さなかったのだ!

 

 ゴルゴ13はニコラス・メランギの部下3人を射殺した。

 

Part12 ノンフィクション劇場

 テレビでその様子を観戦していたデューク・ハガティ、ルウ・ディ・ガルゴ、フランコ・サバラスらはニコラス・メランギに「からだをだいじにな」と言って去ってゆく。

 

Part13 そして銃口は・・・

「おれに仕事をさせたくなかったら、ねらうのは今だぞメランギ!でないと・・・狼の傷はすぐ癒える・・・そして狼の牙が癒えた時・・・おまえの最期だ!」とつぶやくゴルゴ13

 

【感想】

 ゴルゴ13が逆光で背後をとられるような不覚をとったのは珍しい。

 デイビッドは何も言わずにゴルゴ13にとどめを刺すべきだった。

 弟を人質にとられ、したくもない殺人に手を染め、ゴルゴ13に返り討ちにあったアンジェラは気の毒だ。

 それにしても『新作江戸艶笑小咄』がP.197にあるのは何でだろう?

 SPコミックスコンパクト第4巻p.25では大きな空白になっている。

 

 

第33話『飢餓共和国』(1970/09作品)

脚本協力:森幸太郎

85ページ

依頼者:オハネヒ将軍

ターゲット:リバース州地区のシェルBP社の油田にしかけるダイナマイト

依頼金額:不明

狙撃場所:リバース州地区のシェルBP社の油田

殺害人数:4人

殺害相手:ナイジェリア軍兵士4人

H:1人(エアータクシーに乗っていた女)

 

 

 ナイジェリアからの独立を図ろうとしたビアフラは水路も陸路も封じられ飢えにさいなまれていた。

 

Part1 嵐の空港

Part2 エアータクシー

 ガボン共和国ギニア海岸リーブルビル空港で嵐のために定期便が欠航していた。そこへエアータクシーのパイロットがセールスに来る。

 ゴルゴ13とバスで一緒だった女はエアータクシーに乗り込む。

 エアータクシーには黒人男3人と黒人の少年1人が乗っていた。

 エアータクシーは嵐の中離陸した。

 

Part3 オハネヒ将軍

 ナイジェリアオウエリ郊外秘密警察刑務所でイボ族のオハネヒ将軍が処刑されようとしている。彼はナイジェリアから独立しようとしたビアフラの将軍だった。

 

Part4 乗っ取り(ハイジャック)

Part5 処刑前 その①

Part6 ナイジェリアの空へ

Part7 処刑前 その②

 エアータクシーに乗っていた黒人男3人がパイロットをオウエリに向かえと脅す。

 オウエリで対空砲火を浴びたエアータクシーのパイロットは負傷する。ゴルゴ13がパイロットに替わって操縦し不時着に成功した。

 

Part8 光栄ある任務

 黒人男3人はゴルゴ13に礼を言って少年にゴルゴ13と女を見張らせ光栄ある任務に向かう。

 

Part9 殴り込み部隊(ショック・トループ)

 オウエリでオハネヒ将軍の処刑が行われようとするまさにその瞬間、刑務所の銃器庫が爆破された。

 3人のうち1人は殺されたが2人はオハネヒ将軍を助け出すことに成功した。

 

Part10 追われて・・・

 ゴルゴ13と女と少年がいるエアータクシーの所にナイジェリア軍のジープが4人の兵士を乗せて襲ってきた。ゴルゴ13は素早くM16を組立て4人を始末した。

 そこに装甲車がやってきたのでゴルゴ13と女と少年(サマンバ)はジャングルに逃げ込んだ。

 

Part11 脱出

 オハネヒ将軍を助けた2人はエアータクシーの所にやってきた。

 

 オハネヒ将軍が飛行機を操縦し離陸した。

 

Part12 残された3人

 オハネヒ将軍は、別の部隊がサマンバ達を襲ってきたので、ゴルゴ13がサマンバを助けてジャングルに隠れたことを悟り、また戻ってくるとメッセージを残したのだ。

 

Part13 もどってきた将軍

Part14 オハネヒ師団

 オハネヒ将軍は戻ってきて、ゴルゴ13達を隠れ家に連れて行った。そして少ない金額でゴルゴ13に依頼をした。その依頼は、リバース州地区のシェルBP社の油田にしかけるダイナマイトを撃ってくれ、というものだった。

 

Part15 撃たないで!!

 最後の食事をした彼らは目標地点に向かう。

 ダイナマイトを仕掛けに行くオハネヒ将軍の部下達だがナイジェリア軍の狙撃兵の前に次々と射殺される。サマンバが走ってダイナマイトを仕掛けることに成功したがサマンバは撃たれてしまう。助けを求めるサマンバ。ゴルゴ13にダイナマイトを撃つよう依頼するオハネヒ将軍。部下達は止める。

 だが、ゴルゴ13はオハネヒ将軍の指示に従いダイナマイトを狙撃する。

 石油工場が大爆発する。

 サマンバはオハネヒ将軍の一人息子だったのだ。

 

Part16 そして、ナイジェリアは・・・

 ビアフラ共和国独立の夢は幻となった。

 

【感想】

オハネヒ将軍が自分の一人息子を犠牲にして石油工場を大爆発させる・・・哀しい物語だ。

 

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